本教室について

医局・研究室

教室の歩み

昭和47年、聖マリアンナ医科大学麻酔学教室は高橋敬蔵教授、山中郁男助教授(現名誉教授)以下4名の医局員で開講された。初期には昭和大学と順天堂大学出身の先生方により麻酔学教室の基礎が築かれた。 大学病院が完成するまでは東横病院で、大学病院が開院してからは現中央手術室での麻酔業務が開始された。 大学病院は高橋敬蔵教授、山中郁男助教授、外丸輝明講師(現昭和大学藤が丘病院教授)が、東横病院は早川聿朗講師が担当する体制でスタートした。

平成7年に高橋敬蔵教授が死去された後、平成8年には青木正教授が、平成12年には山中郁男教授が講座代表を務めている。平成16年に西部病院院長を退任後、麻酔科は永納和子病院教授が指導している。 東横病院は早川聿朗准教授、宮崎雄一郎講師、横山秀男教授、杉内登准教授が順次麻酔科部長を担当した。東横病院は現在2名の麻酔科医によって麻酔を行っている。

当大学病院の手術件数は1970年代後半には3000件で推移していたが1980年代前半には4000件、1980年代後半には5000件、1990年代には6000件、2000年代には7000件を超えている。 しかし手術室は開院当初は11室、救命救急センター開設時に2室増設され現在の13室となったままなので、これ以上の手術件数の増加は困難な状況となっている。

周術期管理とともに麻酔科診療の大きな柱であるペインクリニックは救命センター開設時に手術室の拡張と共にペインクリニック専用の麻酔科外来が増設され、現在まで多くの疼痛疾患の治療が行われている。

現在、大学病院は菅生キャンパスにあり本院、横浜市旭区にある横浜市西部病院、川崎市多摩区にある川崎市多摩病院の3病院に別れて麻酔科業務が行われている。それぞれ救命センターが併設され緊急手術に対応している。本院では腎移植から心臓大血管手術、脊椎手術などさまざまな手術の麻酔管理が行われている。

西部病院では脳神経外科手術の麻酔管理、多摩病院では口腔外科手術の麻酔管理が特徴である。平成20年度4月には新東横病院がリニューアルされ、内視鏡下手術を中心とした消化器病センターが併設された。本院では緩和医療チーム、人工呼吸サポートチームが結成され麻酔科もチームの一員として参加している。

医局紹介

麻酔学教室は医学部本館4階にあり、医局は教授・准教授・講師・助教・任期付助教・大学院生・実験助手・秘書で構成されています。 医局員のほとんどは大学病院3階にある中央手術室および麻酔科外来で勤務し、その1日を過ごしています。

日本麻酔学会認定指導病院である当院では認定医・専門医・指導医を取得すべく日々豊富で多彩な臨床症例に取り組むと同時に、積極的な学会活動を行っております。
学会発表は日本麻酔学会・臨床麻酔学会をはじめ、集中治療・ペインクリニック・心臓血管麻酔・小児麻酔・ASA(米国麻酔学会)などにおいて研究・臨床の成果を報告しています。

医局の1日は水・金曜日は朝8時30分からのレクチャー、症例カンファレンスに始まり、1日約30件前後の麻酔管理とペインクリニック外来および手術前評価を目的とした周術期外来を行っています。

研究室

当研究室では法令の尊守と動物倫理への配慮を念頭に置き、マウス、ラットおよびウサギを対象とした基礎実験を行っている。当教室では周術期に使用される麻酔薬、鎮痛薬、筋弛緩薬、抗不整脈薬などの薬物の薬理学的研究や生理学的研究ならびに病態解析的研究を主な課題として医学の進歩・発展に貢献すべく日夜奮闘している。


近年のテーマとしては、妊娠時における局所麻酔薬の心抑制効果、抗不整脈薬の心抑制効果、全身麻酔下での子宮筋収縮力、敗血症時の微小循環と末梢神経機能、各種鎮痛薬の相互作用の検討や鎮痛財の作用機序の解明など、多岐にわたっており、幅広い実験手法を学んだ大学院生が多数巣立っている。