本教室について

第3回 月にはじめてもっていった薬は何でしょう?

  •  答え アスピリン

     

    アスピリンの起源は、紀元前400年までさかのぼります。記録によるとヒポクラテスがヤナギの樹皮を熱や痛みを和らげるために用いていたそうです。

     

     

     

    その後研究が進み、1897810日ドイツバイエル社のフェリックス・ホフマン博士が、アスピリンの有効成分アセチルサリチル酸の合成に成功しました。現在、その使用量は毎年5万トンにものぼる重要な薬となりました。

     

     

     

    アスピリンの合成より約120年が経とうとしていますが、アスピリンには沢山の逸話があります。

     

     

     その一つに1969712日、人類初の月面着陸に成功したアメリカの宇宙飛行士ニール・アームストロンング船長が、月に旅立つときアポロ11号に薬箱を載せて行ったことです。その中にアスピリンが入っていました。狭い宇宙船の中で同じ姿勢を続ける宇宙飛行士は筋肉痛や頭痛に悩まされます。その痛みの緩和にアスピリンを使用したとのことです。その薬は月でも効果を発揮したそうです。

     

     

    現在では、アスピリンは鎮痛・消炎薬としてだけでなく、抗血小板凝集薬として使用されていますが、そのほかの疾患への効果など未来を見据えた研究も行われています。