医学部の学生教育としては、人体の構造・生理機能を理解した上での基礎薬理学学習を徹底させ、さらに臨床研究の実施体験を含めた臨床楽理学教育プログラムを経験させます。
薬は患者に使用されるまでには長い期間の研究開発が必要です。我々の研究はその一端を担っており、病態を理解し薬になる物質や因子を探索し、動物での薬物効果を観察する基礎研究から、患者由来の組織(とくに肝臓や小腸)を利用した薬物動態の研究など臨床研究も行っております。
その中核を成すのは「ヒト組織バンクシステム」で、その基盤整備は2000年より行っており、肝臓や小腸組織の採取・保管数は国内有数の多さです。この貴重な研究資源は学内の研究のみならず、他施設との共同研究にも活用しています。
「薬理学」という名称から、臨床現場にはあまり関係がない講座と思われがちですが、「ヒト組織バンクシステム」が診療科(外科)と病理学講座との協働によって成立している事や、教授を含む当講座のスタッフの中には大学病院の治験管理室スタッフとして兼務しているなど、多くの病院業務と関わりを持っています。実は「臨床薬理学」が得意分野です。