災害対策活動報告

災害対策活動報告

医療救護班活動報告

医療救護班第1班 3月18日(金)~22日(火)

救急医学 下澤信彦

 2011年3月11日の東北関東大震災被災地のひとつである宮城県気仙沼市で、聖マリアンナ医科大学の医療救護班が活動を行っています。第一陣は3月18日から22日まで(現地活動は19日から21日まで)活動を行いました。

 第一陣(以下、マリアンナ隊)は、救急医学医師 下澤信彦、脳神経外科学医師 小野寺英孝、救命センター看護師 神保大士、山下将志、総務課 奥島英明の5人で編成され、18日深夜に現地入り、19日の朝から活動を開始しました。  気仙沼市立病院の中に設けられた医療救護本部には全国から15以上の医療チームが集結しています。気仙沼を大きく9つの地域に分け、それぞれの地域に医療チームが割り当てられます。マリアンナ隊の担当は気仙沼市立病院から車で南へ40分程の本吉という、少し前まで孤立していた被災地でした。ここへは、津波によるがれきの真っ只中にやっと開いた道路を行きます。近年気仙沼に合併された地域で、広範なエリアに大小の避難所が点在しており、避難者は合計で2000名程度と考えられました。

 マリアンナ隊は既に現地入りしていた徳州会隊と情報交換しながら、19・20日は避難所と総合支所(市役所の出張所)を巡回し、診療にあたりました。感冒や睡眠不足で体調を崩している方はもちろんですが、津波で薬やお薬手帳を(家ごと)流されてしまった方なども多く、2日間で100人以上を診察・治療しました。特に感じたのが、発災の日から昼夜分かたず対応に追われてきた市職員達の疲弊が目立つことでした。

 21日は、現地医師会の要請により、市内16箇所に救護所を立ち上げることになりました。マリアンナ隊は徳州会、白髭橋病院、日大板橋病院のチームとコラボして、そのうちの3箇所、本吉・大谷・小泉地区の救護所の立ち上げをしました。今後この救護所の診療体制が安定することが現地の医療復興の手助けになると思います。まだまだ長い道のりが待っています。

 今回、聖マリアンナの医療支援について報告しましたが、マリアンナだけが特別なことをしているのではなく、全国の医療機関が被災地の医療支援を行っています。この時期はまだ救急医の活動が目立ちますが、今後は内科を中心とした、救急以外の医師のニーズが増えてくると思われます。病院から医師が派遣されている間は、かかりつけの患者様にもご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、どうかご理解頂けますよう、宜しくお願い致します。

 東北を始めとする被災地は必ず復興を遂げると思います。現地に滞在した短い期間にも、周囲の片付けは進み、ライフラインなどの環境もどんどん改善していきました。現地の人達にもいろいろお世話になりましたが、皆前向きに頑張っておられます。遠く離れた地域に住む私たちも、できる事をできるだけ長く続けたいと思います。

 聖マリアンナ医科大学としては、この医療支援を少なくとも4月頃まで続行する予定です。引き続き、質の高い医療を提供していきます。皆様のご支援、宜しくお願い致します。