本教室について

シラバス

学習内容について

解剖学 学習内容

一般目標

 

(1)組織学、発生学、画像解剖学の知識とともに統合的に人体の正常構造を理解するようになり、基礎医学、臨床医学の基礎をつくること。

(2)解剖学実習で、人体の個々の形態、それらの関係を理解し、解剖学的思考法を養い、医の倫理について各自が意識すること。

(3)臨床解剖実習で、診断、治療に必要な個別専門的解剖学を習得すること。

 


 行動目標

 

(1)人体構造の系統を把握し、器官と部位の解剖用語を正確に述べられること。

(2)器官の肉眼解剖学的構造と細胞・組織構造を関連つけられ、説明できること。

(3)器官の三次元的関係を把握し、画像解剖学と対応させながら、説明できること。

(4)骨学実習で、骨格と部位の解剖用語を正確に述べられ、連関を理解、説明できること。

(5)解剖学実習で、人体構造をじかに見て、説明でき、医学生としての問題意識を自覚すること。

 


 学習内容

 

 1543年、パドヴァ大学教授アンドレ・ヴェサリウスにより歴史的大著"Fabrica"が刊行されたことが近代解剖学の始まりであるといわれている。解剖学が蓄積してきた人体の正常な構造・機能の知識は、近代医学の基礎を築いた。

 講議や実習は、近年の医療革新からくる身体構造の知識の必要性に答えながら、主として、組織学、発生学、画像解剖学などの関連学問と関係づけられて行う。具体的な講議の進行順序は「骨、関節、筋、脈管、神経、内蔵」で、器官と構造の相互関係、形態と機能の相互関係、臨床事項の説明を行う。

 実習は、骨学実習と解剖学実習がある。骨学実習、解剖学実習ともに、自分自身の肉眼で観察することで形態学的思考方法や観察眼を養い、自学自習の精神を身に付けることが目的である。

 また、実習では、医学生が医療に対する心構えを自覚するようになることも大きな目的としている。実習は医学生が最初に人体に接する大切な機会であり、単なる解剖学的知識や技術だけではなく、生命の尊厳や医の倫理について学ぶことを目的とする。

 


教科書・参考書

 

教科書 「岡嶋解剖学」(杏林書院)

      「骨学実習の手引き」(南山堂)

 

参考書 「解剖学講議」(南山堂

     「ネッター解剖学図譜」(丸善)

     「図説 解剖学事典」(医学書院)

     「イラスト解剖学」(中外医学社)

     「チャート基礎医学シリーズ1.臨床解剖学」(医学評論社)

     「人体解剖カラーアトラス」(南江堂)

     「脳解剖学」(南江堂)

     「図説 体表解剖学」(朝倉書店)

 


組織学・発生学 学習内容

一般目標

 

(1)組織学は解剖学のなかの重要な分野であり、基礎医学・臨床医学の学習ならびに診療の基盤となることを認識し、光学顕微鏡、電子顕微鏡による人体の組織・細胞の正常形態・機能に関する基本的知識を習得する。

(2)組織学実習で、光学顕微鏡による組織標本の観察を行い、形態学的思考法・観察眼を習得する。

(3)人体構造の肉眼レベルの正常形態と顕微鏡レベルの微細形態を連結させて理解する。

(4)発生学ではヒトの個体発生の機構と過程を知ることによって人体の正常構造と先天異常の成り立ちを理解する。


 行動目標

 

(1)人体の正常な細胞および組織の構造を、組織学的用語で正確に述べることが出来る。

(2)細胞および組織構造とその肉眼的構造との関連性を述べることが出来る。

(3)器官の細胞・組織構造とその肉眼的構造との関連性を述べることが出来る。

(4)組織学実習で光学顕微鏡による切片標本の観察を行い、スケッチし、各組織構造を説明出来る。

(5)人体の正常発生過程を理解し、臨床的に重要な先天異常の成り立ちを説明することが出来る。


 学習内容

 

 組織学と発生学は肉眼解剖学とともに解剖学を構成する重要な分野である。

 肉眼解剖学・組織学・発生学で習得するそれぞれの形態学的および機能的知識によって人体の正常構造を統合的に理解し、向後の基礎医学あるいは臨床医学学習の基礎となる学力を確実に身につけることが肝要である。

 組織学では光学顕微鏡・電子顕微鏡による人体の正常な細胞および組織の構造と機能を理解する。講議はまず細胞学さらに総論として四大組織(上皮組織・支持組織・筋組織・神経組織)の講議が始まり、循環器、泌尿器、消化器、内分泌、生殖器、呼吸器、感覚器、神経系と進められる。それぞれの内容について、講議と実習は連結して行われる。講議で得た知識をさらに実習で追加確認し、理解を深める学習過程で、自己学習の習慣および問題解決能力を養うことが重要である。

 組織学実習では光学顕微鏡による組織標本の観察をする。毎回の実習ごとに顕微鏡所見のスケッチを行い、担当教員によるチエックがされた後、提出する。実習を通じて形態学的思考法・観察眼を習得する。

 発生学ではヒトの個体発生の機構と過程を知ることによって人体の正常構造と先天異常の成り立ちを理解する。また、発生学的観点・思考法から人体の肉眼解剖学的変異形質の出現様式を考察し、さらに形態形成の原則を追求したい。


教科書・参考書

 

教科書 「カラーアトラス組織学」(南江堂)

    「ラングマン人体発生学」(医学書院MYW)

 

参考書 「標準組織学 総論」(医学書院)

     「組織細胞生物学」(南江堂)

     「ラーセン 最新人体発生学」(西村書店)

     「ムーア 人体発生学」(医歯薬出版)