生殖医療センターについて

センター長ご挨拶

 正常な性生活を営んでいるにもかかわらず1年以上経っても妊娠に至らない場合を不妊症といいます。不妊のカップルは約10組に1組といわれていますが、結婚年齢の上昇に併ってその数は増えています。その原因は様々であり、原因不明の場合も少なくありません。最近では男性側の要因も少しずつ明らかとなって不妊の原因は女性側1/3,男性側1/3、双方の原因1/3と約半数は男性にも原因があります。従って本人だけでなく、ご主人の検査もされることをお薦めします。ほとんどの症例はタイミング指導や薬物療法などで妊娠に至りますが、人為的な技術が必要となる場合があります。このような医療技術を生殖補助技術(Assisted Reproductive Technology:ART)と言われています。生殖補助技術には、体外受精・胚移植、顕微受精、受精卵凍結・解凍移植などが含まれます。
 

設置の目的
 生殖医療センターは、この生殖補助技術を用いた治療を主に行う部門として設置されました。近年の生殖医療の進歩にはめざましいものがあります。生殖補助技術を行うには、専門的な知識・技術が必要です。大学病院の特性を生かし、専門的な手術や検査も行っています。当センターには、他の病院で断られるような合併症のある患者さんやなかなか妊娠に至らなかった難治性不妊の患者さんも多く受診されています。またこの治療は、カップル単位の医療であり当生殖医療センターでは男女両面からのサポートをする診療を心掛けています。このような高度医療を行うための診療科間の連携を保つために生殖医学の基礎研究者も本センターに加わり設立されました。またこのセンターは精子・卵を扱うことから本学の生命倫理委員会の管理下に運営されています。

センター長 鈴木 直 (教授)