Q&A

Q10:留学につなげるには?

大学院と留学とは制度上の関連はありませんが、留学に対するアドバンテージは大きいです。留学の基本形は、自分の行きたい海外研究施設の指導者に自分で手紙を書いて、ポスドクという身分で受け入れてもらえるように交渉することです。

受け入れてくれるかどうか、そこに行くかどうかのポイントは研究業績と滞在費です。どの研究室も、よく研究してくれる人に来てほしいから、その保障(すなわち論文業績)を求めます。すでに幾つか論文を書いている人は即戦力として期待できるから受け入れられる可能性は大きくなりますし、逆に論文のない人は実力があっても、客観的には「未知の研究者」ということになり、受け入れの可能性が低くなってしまいます。この意味でも大学院進学は早い時期に論文を書けるので有利になるし、博士号をとってからの留学ならポスドクという身分で行ける事になります。

もうひとつのポイントの滞在費です。これは生活していくうえで欠かせません。文部科学省関連の奨学金を獲得したり、大学から給料の何割かが出ることもあります(これにもやっぱり業績が必要です)。しかし、行く先の研究室から給料がもらえるかどうかも大きなポイントです。滞在費を自己負担で工面して行く場合、行く先の研究室にとって「無給」の働き手となるから、受け入れられる公算は大きいものの、業績が出なくても特に問題とならないので、プロジェクトを与えてもらえず、研究補助員として使われてしまうこともあります。これでは留学しても論文を書くことができず、せっかくのチャンスを生かせません。滞在費を留学先に負担してもらうためには、それなりの研究ができることが条件となるため、やはり論文業績という証拠が必要となります。この意味でも大学院進学は早い時期に論文を書けるので有利になるわけです。

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