研修・大学院

後期臨床研修

後期臨床研修プログラム

 

本学の後期外科研修制度においては初期臨床研修終了後、まだ専攻領域を決めずにシニアレジデントとして、 すべての外科講座5分野(消化器・心臓血管・呼吸器・小児・乳腺内分泌領域)で研修し、外科専門医を取得することを原則としている。手術件数として350例(この内、術者として120例)が必要であり、小児外科においては10例が最低手術件数として定められている。よって外科シニアレジデントの研修は、以下に挙げる小児外科疾患の執刀と介助が必要となる。

 

 1) 乳幼児鼠形ヘルニア修復術(執刀)

 2) 肥厚性幽門狭窄症手術(介助)

 3) 虫垂切除術(執刀および介助)

 4) 体表の良性腫瘍(含、頚部嚢胞)摘除術(執刀および介助)

 5) 気道、消化管内視鏡検査および処置(介助)

 6) 新生児胃瘻造設術(介助)

 7) 新生児、乳児人工肛門造設および閉鎖術(介助)

 8) 新生児外科疾患根治術(介助)

 9) 開腹、閉腹術(執刀および介助) 

 

これまでの実績でも、全シニアレジデントで小児外科の手術症例が不足することはなく、受験資格をクリアしている。


小児外科専門医研修

将来小児外科を専門とし、それにて生業をたてることを目標とするものに対しては、その臨床研修の最終目標として、日本小児外科学会が認定する小児外科専門医の取得と、学位取得を目指している。小児外科専門医は外科専門医の取得が条件となっており、同時に小児外科指導医のもと小児外科学会認定施設で研修することが原則である。

近年の社会・国民からの要請により専門医資格に執刀症例経験を明らかにすることが重要となり、日本小児外科学会においても外科専門医資格、小児外科専門医筆記試験に加え、2010年の審査により専門医の取得条件に最低手術件数を設定した。

 

 1. 小児外科手術150例以上の執刀経験

 2. 新生児10例以上の執刀経験および10例以上の助手経験

 3. 5歳以下乳幼児100例以上の執刀経験

 4. 鼠形ヘルニア類100例以上の執刀経験

 5. 鼠形ヘルニア以外50例以上の執刀経験

 

当科での研修でその数は充分修得可能と考えるが、さらなる臨床経験のために教育関連病院として、小児系病院(神奈川県立こども医療センター、埼玉小児医療センター、静岡県立こども病院など)での最低1年間の研修を必須としている。現在医局員は外科医として7年以上の経験者はすべて専門医を取得し、1名が専門医申請中である。


当院における小児外科専門医研修カリキュラム(表1)

当科においては後期研修を A:臨床 と B:研究に分け、臨床面では初期の2年間で消化器・一般外科、乳腺・内分泌外科、呼吸器外科、心臓血管外科、小児外科を3ケ月ずつローテーションし、外科修練の期間にあてる。その後、3年次から周産期医療や小児悪性腫瘍などの専門分野の治療方針の立案、手術に携わる。研究面においては1年次に症例報告などを学会、研究会で発表し、論文作成能力を高める。2年次から研究テーマに沿った臨床研究や実験的研究の基礎学力を身につけ、3年次で研究を開始し、4年次に症例報告以外の臨床研究や実験研究に関する論文を作成する。後期臨床研修期間内に症例報告、研究論文の各1編の作成が望ましい。


大学院、学位取得

最近の10年間は、当大学卒業後入局した医局員は全員大学院に進学しており、臨床経験を積みながら各人のテーマに沿った基礎研究論文を作成し、学位授与されている。

また、大学院に進学しないものに対しても学位取得が可能なように、研究テーマを与え臨床と同時に研究活動を行う。

 

その研究テーマは

  1. 実験胎児治療: 近い将来可能と思われる胎児治療の実施に向けて羊胎仔による実験系を確立し、様々な胎児疾患の治療を試みている。この実験はニュージーランドのオタゴ大学との共同研究で、年数回ニュージーランドで実験を行っている。
  2. 小児がんの遺伝子検索: 診断と治療方針を決定づけるのに有用な腫瘍遺伝子の発見と解析に携わっている。研究は当大学病理学教室ならびに千葉がんセンター生化学部門の指導も得て行っている。
  3. 食道閉鎖症に関する遺伝子発現の研究: 小児外科疾患において最重症疾患の一つである、食道閉鎖症の原因遺伝子検索と画像診断法を中心に、その発現パターンを解明し、疾病発症阻止の可能性につき研究を行っている。アイルランドのダブリン大学で実験研究を行い、英文での論文作成・発表を行う。
  4. 横隔膜ヘルニアの研究: 依然死亡率の高い重症横隔膜ヘルニアを救命すべくその発生要因と胎児治療の可能性につき、ラットを用いた実験研究を行っている。

 

また、2008年度からの医療系大学院の開設により、任期付助教も大学院進学が可能となった。当科も外科学(小児外科)としての受け入れを行い、消化器・一般外科、心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺・内分泌外科、救急医学をローテーションしながら臨床研修を行い、学位論文の作成が可能なカリキュラムを構築している。

 


表1 当院における小児外科専門医研修カリキュラム

後期研修 年次 研修目標 方略
後期研修1年次 A 臨床 一般外科の研修 (1)一般(消化器)外科の他 (2)心臓血管外科 (3)呼吸器外科 (4)乳腺・内分泌外科 (5)小児外科 (6)麻酔科のうち3~4科目を選択し、合計1年間診断学、術前術後管理を学び、外科小手術を経験する。
B 研究 臨床研究の基礎を学ぶ 成人外科学をテーマとして、各科において最低1回の臨床報告発表と、この間最低1編の症例報告程度の論文執筆を行う。
後期研修2年次 A 臨床 成人外科研修、とくに開胸、開腹術の修練と、主たる小児外科疾患の診断と治療に関する修練を積む (1)当院において成人一般外科臨床を3ケ月以上経験し、特に急性腹症や外傷患者の診断、管理と胃切除、胆嚢摘出術、イレウス等の手術を執刀する  (2)呼吸器外科、心臓血管外科臨床を3ケ月以上経験する。特に開胸術後の呼吸管理を修練し、開胸術、肺部分切除術を執刀する  (3)後期臨床1年次で選択不能・修練不足の領域を研修する。
B 研究 1.小児外科疾患をテーマとした論文のまとめ方を修得する。 2.教室におけるテーマに準じた研究を行う。 (1)小児外科に関係した研究会または学会において、少なくても年間1回の症例報告または研究報告を発表する。この間最低1編の論文を執筆する  (2)共同研究者として実験的研究に着手する。特に教室におけるテーマに関する研究に中心となって集中的に参画する
後期研修3年次 A 臨床 新生児外科学の修得 小児外科臨床を1年間経験する。小児外科に必要な各種診断法の修得および主たる手術の経験(術者および介助者) 新生児外科手術の執刀と術前術後管理全般を担当する。
B 研究 小児外科に関する研究に携わる。 自己の研究テーマを設定し研究を開始する。
後期研修4年次 A 臨床 小児外科臨床全般にわたる手術経験。 小児外科におけるいわゆる根治術や悪性腫瘍の外科を担当する。関連小児系病院にて1年間小児外科臨床を経験する。
B 研究 自己の研究テーマの完成。 行った研究の論文を作成し、発表する。

研修・大学院

外来担当表

大学病院

東横病院

横浜市西部病院

川崎市立多摩病院

ブレスト&イメージング先端医療センター