本教室について

研究内容

日本病理剖検輯報に基づく全身性アミロイドーシス各病型頻度の疫学調査

①研究期間

2021 年 4 月 8 日~2024 年 3 月 31 日

②研究の意義・目的

全国の病理施設で 1 年間に行われた剖検症例の診断をまとめた日本病理剖検輯報(日本病理学会編)を用いて、国内で 1 年間にアミロイドーシスと報告された症例を抽出することができます。
本研究では、2017 年 1 月 1 日~2018 年 12 月 31 日までにアミロイドーシスと報告された症例に関して、各施設にアンケート調査を実施すると共に、福井大学にて追加の検査を行い、各病型を正確に決定し、日本の剖検例におけるアミロイドーシス各病型の疫学調査を行うことを目的としています。

③研究対象となられる病理解剖をされた患者様のご遺族様へご協力のお願い

 厚労省アミロイドーシスに関する調査研究班(研究代表者:内木宏延)では、福井大学医学系研究倫理審査委員会の承認および医学系部門長の許可を得て、下記の医学研究を実施しています。
こうした研究では、対象となる方に関して既に存在する試料や情報、あるいは今後の情報や記録などを調査しますが、対象となる方にとって新たな負担や制限が加わることは一切ありません。
このような研究では、国が定めた倫理指針に基づき、対象となる方お一人ずつから直接同意を得るかわりに、研究の目的を含む研究の実施についての情報を公開することが必要とされています。
利用目的の詳細など研究に関するお問い合わせがある場合は、下記の「研究事務局(連絡・問い合わせ先)」へご連絡ください。ご自身の情報や試料を研究に使用してほしくないという場合は下記の「本学研究機関(連絡・問い合わせ先)」へ2022年12月17日までにご連絡ください。研究への参加を希望されない場合、研究結果の公表前であれば、研究期間内にご連絡いただいた時点より対象から除外いたします。なお研究不参加を申し出られた場合でも、なんら不利益を受けることはありませんのでご安心ください。

④研究の内容

日本病理剖検輯報第 60 輯 (2019 年刊行)~第 61 輯 (2020 年刊行) を対象とします。
輯報に添付された CD-ROM 中の pdf 版をエクセル化し、キーワード検索によりアミロイドーシス症例を抽出します。
病型に関する情報が不確実な症例は、登録施設に簡潔なアンケート調査を実施し、病型を確定します。
アンケート調査によっても病型を確定できない場合、登録施設より臓器の未染色標本を送付していただき、アミロイドーシスに関する調査研究班の病型診断コンサルテーションシステムによるパネル染色により病型を確定します。パネル染色により病型を確定できなかった症例は、熊本大学大学院生命科学研究部(共同研究機関)に送り、アミロイド前駆蛋白質の質量分析 LMD/LC-MS/MS による同定を行います。
データの提供は、特定の関係者以外が閲覧できない状態で郵送によって行います。対応表は、本学の研究責任者が保管・管理します。
得られたデータを基に、全身性アミロイドーシス各病型の日本における精確な発症頻度等を明らかにし、論文での発表を通して、日本における全身性アミロイドーシスの疫学的な実態を明らかにします。

⑤利益相反について

利益相反とは、外部との経済的な利益関係(資金提供など)によって、研究データの改ざん、特定企業の優遇など研究が公正かつ適切に行われていないのではないか(企業に有利な結果しか公表されないのではないか)と第三者から懸念されかねない事態のことをいいます。
この研究は、特定の企業や団体から研究資金や給与・謝金など、特別な便宜を受けていないことを福井大学臨床研究利益相反審査委員会に全て報告し、利益相反状態でないと判定されています。研究を公正に遂行し、対象となる方に不利益になることや、研究結果を歪めることは一切いたしません。

⑥研究計画書及び研究の方法に関する資料の入手・閲覧方法

本研究では、研究計画書及び研究の方法に関する資料に関しては、他の研究対象者等の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内に限り入手又は閲覧が可能です。その入手・閲覧をご希望される際には下記「研究事務局(連絡・問い合わせ先)」までご連絡下さい。

⑦個人情報の開示等に関する手続き

本学が保有する個人情報のうち、本人の情報について、開示、訂正及び利用停止を請求することができます。詳しくは下記ホームページをご覧ください。
≪聖マリアンナ医科大学における個人情報保護について≫
https://www.marianna-u.ac.jp/houjin/policy/

ご自身の情報や試料を研究に使用してほしくないという場合は下記の「本学研究機関(連絡・問い合わせ先)」へ2022年12月17日までにご連絡ください。

⑧研究責任者

福井大学医学部病因病態医学講座分子病理学分野
教授 内木 宏延

⑨研究分担者

福井大学医学部病因病態医学講座分子病理学分野
山口 愛奈

⑩共同研究機関

熊本大学大学院生命科学研究部
教授 植田 光晴

⑪研究事務局(連絡・問い合わせ先)

〒910-1193 福井県吉田郡永平寺町松岡下合月 23-3
福井大学医学部病因病態医学講座分子病理学分野
岡田 ひろみ
電話:0776-61-3111(内線 2237)
FAX:0776-61-8123
E-mail:amyloid@med.u-fukui.ac.jp
○ご意見・苦情窓口
〒910-1193
福井県吉田郡永平寺町松岡下合月 23-3
福井大学医学部附属病院医学研究支援センター
電話:0776-61-8529
受付時間:平日 8:30~17:15(年末年始、祝・祭日除く)

⑫本学研究機関(連絡・問い合わせ先)

〒216-8511神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1
聖マリアンナ医科大学病理学講座診断病理分野
成木 佐瑛子、小池 淳樹
電話:044-977-8111(内線 3140)

「大腸sessile serrated adenoma/polypの細胞発育動態に関する研究」

①はじめに

大腸隆起性病変(大腸ポリープ)は腫瘍と非腫瘍に分類されます。非腫瘍には過形成性ポリープ等が分類され、癌化の危険性がないものとして扱われてきました。しかし、近年、過形成性ポリープとして扱われてきた隆起性病変のなかに癌化の危険性を有する病変が存在することがわかってきました。その病変の一つが広基性鋸歯状腺腫(sessile serrated adenoma/polyp、SSA/P)で、新しい疾患概念として注目されています。

②研究内容

SSA/Pにおける細胞増殖と細胞死のバランスを比較し、この病変の発育過程を明らかにすることを目的とします。また、SSA/Pにおいてどのように細胞死(アポトーシス)が調節されているのかを検討します。これらの分析によりSSA/Pと他の大腸ポリープとの差異を比較し、SSA/Pの疾患像を明らかにすることが研究目標です。

③研究対象

2007年4月1日から2010年3月31日までに聖マリアンナ医科大学病院にて内視鏡的に採取された大腸粘膜標本を対象として使用します。なお、既に採取された標本を本研究に使用しますので、対象者の方々への健康への影響は一切ありません。

④研究結果の公表について

研究結果は医学研究雑誌や学会等で発表する予定です。

⑤プライバシーの保護について

本研究の結果を医学雑誌や関連学会において発表する場合には、発表内容から個人が同定されないように配慮します。具体的には被験者の詳細な経過は公表せず、本研究の結果を伝えるために最小限の臨床情報のみ(年齢・性別)を発表します。被験者個人を特定できる情報が外部に漏洩することはなく、被験者のプライバシーは保護されます。

⑥研究への参加について

本研究へ参加されない場合でも、何ら不利益を受けることはありません。研究対象になることを望まれない場合は、下記までご連絡をお願いします。

問合せ先

  研究機関  聖マリアンナ医科大学 診断病理学
  住所 216-8511 神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1
  電話 044-977-8111、内線 3140
  担当医師 遠藤 陽、小泉宏隆

がん型アミノ酸トランスポーターLAT1を標的とした胆道癌治療効果と発癌経路の解明

①はじめに

 胆道癌は予後が非常に悪いがんのひとつですが,日本ではもちろん世界的にも症例数が大変少なく,遺伝子異常や異常蛋白発現といった腫瘍自身の性格に加え,特にその発癌経路については現在でも殆ど分かっていません。

 一方,細胞は活動するためにはタンパク質の元となるアミノ酸などの栄養を必要とし,その取り込みにはトランスポーターという通路を使います。特にがん細胞は増えるためにたくさんの栄養が必要で,かつその取り込み方が正常細胞と異なることが最近分かってきました。

②研究内容

 がん細胞では正常細胞のトランスポーターLAT2とは異なる,がん細胞特有のLAT1またはLAT3というトランスポーターが著しく増えていることが示されてきました.そこで,このLAT1の機能を低下させることで,がん細胞が増えるのを抑え,がんの治療に役立てられないかと多くの研究が進められています。またこれらLATの異常が胆道でのがん化についても何らかの関係があるものと考えられます。今回の研究では顕微鏡でLATのタンパク発現を調べる予定です。

③研究対象

 2005年~2017年までの聖マリアンナ医科大学病院にて外科的切除された胆道癌標本から一部を対象として選択し使用します。なお,既に採取された標本を本研究に使用しますので,対象者の方々への健康への影響は一切ありません。

④研究結果の公表について

 研究結果は医学研究雑誌や学会等で発表する予定です。

⑤プライバシーの保護について

 本研究の結果を医学雑誌や関連学会において発表する場合には,発表内容から個人が同定されないように配慮します。具体的には被験者の詳細な経過は公表せず,本研究の結果を伝えるために最小限の臨床情報のみ(年齢・性別)を発表します。被験者個人を特定できる情報が外部に漏洩することはなく,被験者のプライバシーは保護されます。

⑥研究への参加について

 本研究へ参加されない場合でも,何ら不利益を受けることはありません。研究対象になることを望まれない場合は,下記までご連絡をお願いします。

 

問い合わせ先

 研究機関 聖マリアンナ医科大学 病理学

 住所 216-8511 神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1

 電話 044-97-8111,内線 3140

 担当医師 栁澤 信之