公開講座/イベント
2025年11月18日 17:00~18:00 医学部本館3階大学院講義室2(WEB配信あり)
講演者:安井 寛 先生
所属・役職:血液・腫瘍内科学 特任教授
演題名:臨床と基礎をつなぐトランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)の歩み
~がん・難治性疾患・EBウイルス関連疾患に対する診断技術と治療開発~
概要
これまで私は、血液内科医としての臨床経験と基礎研究の成果を融合させ、難治性疾患の診断・治療開発に取り組んできた。留学先のハーバード大学ダナファーバーがん研究所では、多発性骨髄腫における創薬シーズの前臨床研究に従事し、その一部は臨床試験へと進展した。帰国後は札幌医科大学にて血液内科診療に携わる一方、多発性骨髄腫を対象とした抗体研究やエピゲノム研究を推進した。その後、東京大学医科学研究所および附属病院において、橋渡し研究拠点でのアカデミア発シーズ支援、医師主導治験の立ち上げと実施、さらにがん免疫療法やゲノム研究の推進、生体試料支援基盤の整備、新規診断技術の研究開発にも取り組んだ。
現在は聖マリアンナ医科大学において、EBV関連疾患を対象とした全国規模のレジストリ構築を進めるとともに、造血幹細胞移植後合併症やCAR-T細胞療法に対する新規評価法、EBV関連疾患に対する新規診断技術の実用化促進など、臨床現場に還元可能な技術の実装を目指している。
本講演では、これまでの研究の歩みを振り返りつつ、次世代診断・治療技術の創出に向けた挑戦について紹介する。研究者を志す大学院生や医学部生の皆さんに、橋渡し研究の意義と今後の展望を感じていただければ幸いである。
対象者:全教職員
大学院・研究推進課 内線4056