いのちを守り 愛をささえる
周産期とはWHOの定義では妊娠の28週から生後1ヶ月まで、我が国では妊娠の23週から生後1ヶ月までと定義づけられています。この時期はヒトが生まれ、ヒトを生み出すための危機とも呼べるライフサイクル上の特殊な時期であります。したがって総合周産期母子医療センターは正常ないとなみである妊娠・出産・産褥期のケアはもとより、妊娠に関連した女性のハイリスク状態、胎児の病態、新生児の病態に対応する高度の医療サービスを提供します。
そのため最先鋭のMFICU、NICUを整備し、救命救急センター及び各科と連携した母体救命と、呼吸障害・循環障害をはじめとする新生児疾患、小児外科・神経外科・循環器外科との連携による胎児・新生児外科疾患への高度な医療を提供します。
周産期は身体と心と社会の出会いの時といわれており、女性が母親となり、男性が父親となり、子どもを持つ家族の始まりの時期でもあります。総合周産期母子医療センターは医療としてのサービスだけではなく、女性の親となるべき身体と心の変化と、子が生まれ、子として成長していく発育発達の支援も重要な役割であります。そうした役割を医師・助産師・看護師だけではなく、周産期臨床心理士、ソーシャルワーカーなどが職域を越えて連携し、新しい家族を支えます。
当センターは大学医学部の一翼を担って開設されました。すなわち、医学生、看護学生の教育はもとより、地域及び我が国の周産期医療に携わる職種の教育と人材養成を行うことも大事な仕事であります。また、周産期医学は新しい学問分野であることから、医学・看護学・栄養学・心理学などの研究の場を提供し、実際に研究することももう一つの役割です。その教育と研究の成果を医療そのものに反映していくことが当センターの意義ともいえます。
川崎市は毎年12000~14000の新しいいのちの息吹に満ちあふれた大都市です。このいのちの息吹とそれを支える家族の皆様に、川崎市の分娩施設、小児医療施設、母子保健施設とそれぞれの担当の方たちとの交流・連携のもとに、私たちの理念であるいのちを守り、愛をささえる高度の周産期医療を提供することが私たちの使命であり喜びであると考えております。