聖マリアンナ医科大学 SCHOOL GUIDEBOOK 2020
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22 スチューデントドクターは医療スタッフの一員です。主治医チームのメンバーとして診療に主体的にかかわってください。診断、病態の考察にとどまらず、ぜひプランも立ててください。医療者としてのプロフェッショナリズムはもちろんですが、さらに患者さんの身になって接することができれば指導者として大変うれしいです。 実り多い学びのためには、とにかく患者さんをよく診察すること、そして病態を考察することを徹底してください。知識の不足を恐れず、どんどん質問すること。また、様々なリソースを使って自分で調べること。客観的所見と知識を統合し、理解を深めるためには診療録の作成は非常に有効です。それにより、問題点を適切に抽出し、鑑別を行う姿勢をしっかりと身に着けていただきたいと思います。臨床のみならず、基礎、社会医学、医療政策どのような道に進んでも必ず役立つと信じています。 血液内科では、日々のグループカンファレンスのほか、週に一度、全体カンファレンスが行われます。これは、教授以下、血液内科医師全員が参加し、患者さんの診察所見や検査結果から病態を把握し、大きな治療方針の決定を行う大事な会議です。病棟薬剤師、ケースワーカーなど多職種が参加し学生も担当した患者さんについて主治医としてプレゼンテーションを行います。よりよい医療を行うため、そして医療安全のため、上下の隔てなく活発な議論を行います。学生からの積極的な質問、意見は大歓迎です。たとえ学生でも、参加者が多ければ多いほど、医療の質は上がります。 全体カンファレンスの後は、メンバー全員で患者さんのもとへ。病棟実習で最も大事なことは「患者さんから学ぶ」ことです。一人として教科書通りの患者さんはいません。また検査結果だけでは患者さんは把握できません。実際に見て、触って、初めて病態を理解することができます。患者さんの話を聞き、診察をすること、これをしっかりと学んでいただきます。血液疾患では肝脾腫、リンパ節腫大、出血症状の出現、肺炎などの感染症の併発など、ダイナミックに病状が変化します。治療により急激に改善することも珍しくありません。診察でいち早く変化を見つけることが重要です。これらは教科書や模擬患者さんからは習得できません。診療参加型実習で、ぜひ学んでいただきたいと思います。内科学(血液・腫瘍内科)教授 新井 文子From Teacher 患者さんの身になって、診療にかかわってください13:0016:00▶ 全体 カンファレンス▶ 病棟回診

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