聖マリアンナ医科大学 SCHOOL GUIDEBOOK 2020
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10 障害児(者)との触れ合いを通して、お互いを理解する上で必要なコミュニケーションの重要性や医師を含めたチーム医療を学びます。 地域包括ケアシステムを理解するとともに、病院から在宅復帰までの流れや、チーム医療に携わる多職種の役割と連携の必要性を考えます。患者さんの周囲の方が意思疎通の糸口になる 実習をとおして重症心身障害児(者)施設での生活を知り、医師と障がい者の関わり方をできるだけ習得しようと思いました。実習の初日に、目の前の子どもが泣いていても、なぜなのか私にはわかりませんでした。表情が読み取りにくく、気持ちを汲み取ることができなかったのです。そんなときは、子どもたちのことを理解している施設の方に状況を訊ねるようにしました。実習中は子どもたちにたくさん話しかけたり、読み聞かせをしたりして、交流を図りました。どんなときでも素直に気持ちを表現する子どもたちは、とても可愛かったです。「今日は寒いね」といった私の何気ない声かけに対して、施設の子どもたちが嬉しそうに笑ってくれたことが、とても印象に残っています。 医師は、基本的には診察の時くらいしか患者さんと関わりがありません。診察でさえ、使える時間は限られています。そんな中、患者さんのことを少しでも多く知るためには、「患者さんと毎日過ごしている方の話をよく聞くこと」が大切だと理解しました。自分から興味を持って話しかけることを、これからは心がけていきたいと思います。2学年 小林 理穂患者さん一人ひとりの健康をチーム医療でサポートする 地域包括ケアにおける医師の役割について、病院や患者さんの状態を含めて学び、相互的に理解するよう努めました。 実習中、意識して取り組んだ事は、患者さんと多くの時間を共有することです。歩行の補助や会話をすることで、患者さんが何を必要とし、何が苦痛であるかを知ることができました。その実習での経験を通して、自分が医師となった時に、患者さんに何をすべきで、何ができるのか、真剣に考えるきっかけになりました。 また、実習では、医師や看護師など医療スタッフの仕事だけでなく、他の病院と連携をとる地域連携室のスタッフの役割も学びました。直接、患者さんと接するスタッフだけでなく、病院を裏から支えるスタッフも含めてチーム医療を担っていると実感しました。それを医師になる前に知ることができ、現場での医師のあり方について考えるきっかけにできたと思います。2学年 豊福 伸幸重症心身障害児(者)施設見学実習地域包括ケア実習2・3学年

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