本教室について

ご挨拶・スタッフ紹介

ご挨拶

 

当眼科学教室は、昭和47年太根節直先生が初代主任教授として開講された後、平成8年より上野聰樹先生が二代目教授として担当され、大きく発展してきました。現在では100名を超す同窓会の先生方を輩出し、30数名の教室員がそれぞれの専門分野でアクティブに診療・教育・研究に取り組んでいます。そして、平成25年4月より私が三代目の教授として教室を担当させていただくこととなりました。
自身の経歴を少し紹介します。1987年に京都大学卒業後、1993年より渡米し、ハーバード大ジョスリン糖尿病センター(1993年~1996年)にて糖尿病網膜症の研究、特に血管新生の病態生理の研究を始めました。以後の診療・研究はこの分野に重点を置いています。京都大学に帰学後からは、硝子体手術治療を自身の診療の中心に据え、重篤な網膜硝子体疾患に対峙してきました。
このように、私は糖尿病網膜症を中心とする血管新生の基礎研究をかなりしっかり積んだ上で、硝子体手術などの臨床医としての実績も上げてきたという経歴を持っていると思います。もともと研修医の頃、糖尿病網膜症の眼底をみて、その病態に興味を持ったのが始まりでした。当時は手術成績もよくありませんでしたが、現在では分子標的薬の開発により手術成績は格段に向上してきています。このように自身の専門分野において臨床と研究が結びつく形でたいへんよい経験を積むことができました。最近、眼科領域では、iPS細胞の臨床試験など研究と臨床の融合、つまりtranslational researchの実現化の動きが今までになく活発化しています。この流れは今後もさらに進むことが間違いないと思います。自身の経験を生かし、こうした時代の流れに少しでも貢献できる知見を見いだし、人材を育成すべく努力していきたいと考えています。
聖マリアンナ医大の建学の精神はキリスト教的人類愛に根ざしたすぐれた臨床医の育成であろうかと思います。生命倫理を重んじ社会奉仕的精神を有する医師を育成したいと願っています。すぐれた医師の育成には臨床だけではなく、臨床で起こる問題を解決すべく研究を行ったり、研究での成果を臨床に応用する、まさに、そのような考え方が必要ではないかと思います。是非、若い先生には、個々の専門分野を持っていただき、我々といっしょに真摯に取りくむことで、優れた眼科医を目指していただきたいと思います。当教室の特徴は、教室全体の方向性はしっかりとあるものの、医局員個々の自由度と多様性を重んじていることです。教室は、たいへんリベラルな雰囲気で他大学出身の先生も加わり、協力関係もよく、多くの若い先生が日々の臨床や研修に明るく楽しく取り組める環境があります。
診療面では、「眼科と言えば聖マリアンナ」といわれるよう、地域におきましても信頼される眼科を作っていきたいと考えています。これには眼科領域のあらゆる疾患に高水準で対応できることが不可欠であると思います。白内障、緑内障、網膜硝子体疾患に加え、今後、角膜や他の分野もさらに人材、機器を整備して、あらゆる疾患に対応できる体制を作ってまいります。
眼科疾患には糖尿病などの生活習慣病や全身疾患と関わりの深い疾患が多く、患者様の啓蒙を含めた他科との連携、地域連携の促進が不可欠です。病診連携の会をさらに発展させるなど連携をいっそう深めていきたいと考えています。近隣の先生方はじめ、同窓の先生方、内科など関連他科の先生方などには、今日まで当教室をサポートしていただいてきたことを心より感謝申し上げます。そして、さらなるマリアンナ眼科の発展を目指したいとと考えておりますので今後ともご指導とご協力をお願い申し上げます。
 
【略歴】
昭和62年3月 京都大学医学部卒業
平成5年7月  ハーバード大学ジョスリン糖尿病センター研究員 (~平成8年1月)
平成6年3月 京都大学大学院医学研究科博士課程修了
平成8年2月 京都大学大学院医学研究科視覚病態学助手
平成11年7月 京都大学大学院医学研究科視覚病態学講師
平成17年4月 兵庫県立尼崎病院 眼科医長・京都大学臨床助教授
平成18年4月 兵庫県立尼崎病院 眼科部長
平成21年4月 聖マリアンナ医科大学眼科 准教授
平成23年4月 聖マリアンナ医科大学眼科 病院教授(大学病院)
平成24年4月 聖マリアンナ医科大学病院 眼科部長
平成25年4月 聖マリアンナ医科大学眼科学教室 講座代表教授     現在に至る
 
【代表論文】
    Erythropoietin as a retinal angiogenic factor in proliferative diabetic retinopathy. N Engl J Med 2005:353:782-92.
    Selective induction of neuropilin-1 by vascular endothelial growth factor (VEGF): A novel mechanism contributing to VEGF-induced angiogenesis. Proc Natl Acad Sci USA 2002;99:383-8.
    Suppression of retinal neovacularization in vivo by inhibition of vascular endothelial growth factor (VEGF) using soluble VEGF-receptor chimeric proteins. Proc Natl Acad USA 1995;92:10457-61.
    Phosphatidylinositol 3-kinase/Akt regulates angiotensin II-Induced inhibition of apoptosis in microvascular endothelial cells by governing survivin expression and suppression of caspase-3 Activity. Circ Res. 2004;94:785-93.
    Angiotensin II potentiates vascular endothelial growth factor-induced angiogenic activity in retinal microcapillary endothelial cells. Circ Res 1998;82:619-28. 
    Leptin stimulates ischemia-induced retinal neovascularization: possible role of vascular endothelial growth factor expressed in retinal endothelial cells. Diabetes 2004;53:2443-8
    Photoreceptor outer segment length, a prognostic factor for idiopathic epiretinal membrane surgery. Ophthalmology 2013120788-94.
    New surgical approach for removing massive foveal hard exudates in diabetic macular edema. Ophthalmology 1999;106:249-57.
    Hypoxia and vascular endothelial growth factor selectively up-regulate angiopoietin-2 in bovine microvascular endothelial cells. J Biol Chem 1999;274:15732-9.
    糖尿病の最新診断・治療法. 三大合併症1.糖尿病性網膜症,糖尿病のすべてがわかる本,学習研究社,2003
    あたらしい網膜症治療薬の可能性を探る. 糖尿病網膜症 専門医によるベストアドバイス,診断と治療社,2003
    糖尿病網膜症:(1)成因と分類. 新しい診断と治療のABC 30 代謝3 糖尿病合併症,最新医学社,2005
    血糖管理不良例の治療 ヴィジュアル糖尿病臨床のすべて糖尿病網膜症のすべて,中山書店,2012

・ 眼内血管新生病 入門血管新生学 
血管新生が関連する病気, メディカルレビュー社, 2013 

 

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