当院における婦人科がんの年次推移
一方、進行癌(Ia2期以上)の場合は手術、放射線治療および抗癌剤治療を各患者様の病状によりそれぞれ単独または組み合わせた治療を行っています。手術としては原則子宮頚癌根治術を行います。これは子宮、腟の一部、および子宮頚部の周りの組織(基じん帯といいます)、骨盤内のリンパ節を切除するものです。卵巣に関しては患者様の状況によっては残せることもあり、場合によっては術後の放射線療法による被爆を避けるため卵巣の位置を移動させる手術も併せて行うこともあります。その他患者様の病状によっては抗癌剤治療を先に行ってから手術を行う場合や、手術を行わず放射線治療単独、あるいは放射線治療と抗癌剤治療を併用して治療を行います。
子宮体癌の多くは閉経後の女性に発症しますが、月経不順や排卵障害などのホルモン異常がある方の場合には閉経前であっても発症する可能性が高くなると言われています。近年子宮体癌は増加の傾向にあり、その一因として食生活の欧米化が原因であると言われています。
症状としては90%以上の患者様に不正性器出血が認められます。特に閉経後の方で不正性器出血があった場合には子宮体癌の可能性も考えられますので病院で検査なさることをお勧めします。
卵巣癌も子宮体癌と同様、近年増加の傾向にあると言われています。症状としては下腹部が出てきたとかお腹がはるといった症状が多いですが、前に述べたように全く自覚症状がない患者様もいます。卵巣は直接癌検診ができない臓器なので、腫瘍が発見された場合には、超音波やCT、MRIなどの画像検査や血液中の腫瘍マーカーといった精密検査の上、手術により腫瘍を摘出し、病理検査というもので確認して初めて卵巣癌と診断されます。
まず第一に、先進医療として抗癌剤感受性試験というものを行っています。これは原則再発癌の患者様に行っているもので、具体的には再発癌の組織を手術などにより摘出し、婦人科癌でよく使われている5種類の抗癌剤に対して、どの抗癌剤が効く可能性があるかを検査するものです。この検査によって効果が無いと思われる抗癌剤を患者様に使うことを避けることができ、また有効である可能性がある抗癌剤を選んで治療を行っていけるという利点があります。具体的な方法や費用その他の点に関しては担当医にご相談下さい。
2番目の特徴として、抗癌剤の動注療法というものを積極的に取り入れている点が挙げられます。抗癌剤は多くは点滴で腕などの静脈より投与されますが、抗癌剤の動注療法とは抗癌剤を腫瘍の近くの動脈より注入する方法で、静脈療法に比較して癌に直接的に高い濃度の抗癌剤が投与できること、局所療法のため吐き気などの副作用が軽減できることなどの利点があります。また治療の難しい再発癌の患者様にも有効な場合があり、積極的な治療を行っております。聖マリアンナ医科大学産婦人科では当院放射線科と月に1回カンファレンスを行い、患者様の動注療法の適応やその後の効果判定などについて検討しているなど放射線科の診断および治療の専門医と綿密に連係して患者様の治療にあたっており、これも大きな特徴と言えます。詳細は担当医に御相談下さい。