診療部門のご案内

認知症(老年精神疾患)治療研究センター

平成22年 9月01日現在

紹介・アピール

センター長 樋口 久(准教授)

 認知症治療研究センターは、平成元年に、厚生省(当時)により作成された高齢者保健福祉推進十ヶ年戦略(通称「ゴールドプラン」)に基づき、神奈川県の委託事業として、平成2年に設置され、平成9年度より、病院の診療施設として機能しています。
 当センターの目的は、地域の保健福祉施設の上位施設として、その地域施設を通して認知症患者への援助を行うものです。したがって、認知症の第一の原因疾患であるアルツハイマー型認知症に焦点を当て、早期診断、早期治療による日常生活機能(生活の質)の維持に努めています。具体的には、聖マリアンナ医大式コンピューター化記憶機能検査の開発と応用や画像検査(頭部MRI)による早期診断、そして、軽度から中等症の認知症患者を対象とした薬物療法や新薬開発のための臨床試験(治験)などを行っています。さらに認知症診断外来(水曜午後の専門外来)で追跡検査も行っています。これに加え、非薬物療法として、コーラス活動や回想法なども試みています。
 また、患者さんに対する直接的診療だけではなく、神経精神科医師、看護師、臨床心理士が一丸となり、介護する家族のための相談や講義形式の指導、地域住民の啓発活動の実践(公開講座の開催)、さらに患者に関わる施設職員の援助や研修などを行うと同時に、よりよい医療のための認知症治療研究を進めています。

職員一覧

職名 職種 氏名 専門分野(資格)・担当分野
センター長 (准教授) 医師 樋口 久 老年期精神疾患
副センター長(教授) 医師 山口 登 老年期精神疾患
副センター長(講師) 医師 宇田川 至 老年期精神疾患
医長(助教) 医師 山口 敬子 老年期精神疾患
医員(助教) 医師 荻野あずみ 老年期精神疾患
医長(助教) 医師 富永桂一朗 老年期精神疾患
医長(助教) 医師 中村 悦子 老年期精神疾患
医長(助教) 医師 前泊 味音 老年期精神疾患
医員(助教) 医師 本間 絢子 老年期精神疾患
登録医 医師 野口 美和 老年期精神疾患
医員(任期付助教) 医師 橋本 知明 老年期精神疾患
医員(任期付助教) 医師 板谷 光希子 老年期精神疾患
医員(任期付助教) 医師 石川 哲也 老年期精神疾患
医員(任期付助教) 医師 副島 香織 老年期精神疾患

業務の案内

業務名称

認知症治療研究センター

業務内容

(1)診療と治療研究について
神経精神科一般診療の他に特殊外来として、認知症診断外来を開設し、認知症ならびにその疑い患者の診療・追跡調査を行います。非可逆的経過をたどる認知症の早期診断、早期治療介入による日常生活ならびに社会機能の維持の可能性を追求しています。早期診断に関し、診断精度を高めるために、頭部MRIでの海馬容積測定や正確に且つ客観的に記憶機能を判定するための神経心理学的検査として聖マリアンナ医大式コンピュータ化記憶機能検査(STM-COMET)を考案し施行しています。
また、外来受診者の都合に配慮した短期(一日)入院検査も可能です(別館2階南神経精神科病棟にて)。

(2)啓蒙活動について
1.公開シンポジウム開催:年1回、地域在住の一般住民や施設職員を対象に行っています。
2.認知症はじめて講座:神経精神科医師、臨床心理士、看護師が各1回講師となり、認知症の理解、対応、介護についての講義をいたします。対象は神経精神科外来を受診した認知症患者を抱える家族の方々です。外来医にお問い合わせください。
3.個別介護相談:外来医にお問い合わせいただければメディカルサポートセンターに依頼いたします。

(3)施設職員研修・教育・援助等について
・施設研修生の受け入れ
・院外から講師を招いての講演会(不定期)
・当施設での痴呆性老人デイケア等に参加した家族が組織する「水曜会(家族会)」(年4回開催)の援助

受付方法 認知症診断外来受付方法
平日午前の神経精神科一般外来を受診して下さい。
受診された方の中から、担当医の診察により認知症が疑われた方には特殊(専門)外来である認知症診断外来での診察予約がなされます。(認知症診断外来は水曜午後、原則として完全予約制です。)
[一般血液・生化学・血清検査、頭部画像検査、STM-COMETなどの認知機能検査を施行(または都合の良い日に検査予約)します。その後も検査を施行し追跡します。]
受付時間 初診:平日9:00~11:00,
特殊外来:認知症診断外来,水曜13:30~(原則として完全予約制)
担当科 神経精神科

研究の紹介

研究内容

(1)早期診断の精度向上に関する研究
老年期うつ病との鑑別、STM-COMETの応用など
(2)頭部画像検査(MRI)による脳萎縮と認知機能障害の検討
(3)治療的介入の有効性の検討:
 1.薬物療法(アルツハイマー型痴呆治療薬、新薬開発のための臨床試験など)
 2.非薬物療法的認知リハビリテーション[音楽(コーラス)、(集団)回想法など]
 3.行動学的・神経心理学的(非認知機能)症候への対応
(4)脳波解析による大脳皮質機能劣化度の測定
(5)脳軽症患者への病名告知と心理的介入研究

など


研究業績

  • 石関圭, 渡部廣行, 山口登:海馬萎縮と記憶障害の検討; アルツハイマー型痴呆の早期診断の可能性について. 老年精神医学雑誌, 13: 61-65 (2002)
  • 山口登、太田共夫、森嶋友紀子:アルツハイマー病の治療と介護の基礎. 総合臨床, 51 : 125-131 (2002)
  • 山口登, 岡田良子, 杉山恒之:アルツハイマー病治療薬; 現状と今後の展望. 日本臨床, 60: 107-111 (2002)
  • 渡部廣行, 石関圭, 青葉安里:アリセプトとアルツハイマー病. 臨床成人病, 31: 1482-1484 (2001)
  • 山口登,渡部廣行,新妻加奈子:物忘れ外来の名称をめぐって ;メモリークリニック.精神科治療学,17;343-346(2002)
  • 山口登, 宇田川至, 杉山恒之,他:うつ病患者に対する電気けいれん療法の併発症(せん妄および逆向健忘)と臨床経過について. 精神医学, 44: 1055-1060 (2002)
  • 杉山恒之,渡部廣行,山口登:軽度アルツハイマー型痴呆患者の認知機能障害に対する塩酸ドネペジルの長期投与の効果,老年精神医学雑誌,15:01-210,(2004)
  • 高橋忍,新妻加奈子,小野寺敦志,山口登,伊藤幸恵,下垣光,渡部廣行,柳田浩,杉山恒之,森嶋友紀子,青葉安里:痴呆患者への病名告知の研究―アルツハイマー型痴呆患者本人の意向―,老年精神医学雑誌,16:471-477,(2005)
  • 田所正典,山口登,小野寺敦志,新妻加奈子,伊藤幸恵,森嶋友紀子,松尾素子,高澤みゆき,川合嘉子,荻野あずみ,関野敬子,渡部廣行,青葉安里:アルツハイマー型痴呆患者ならびに主介護者の生活支援を目的とした非薬物療法的介入の試み―「物忘れケア教室」の6ヶ月後の有用性―,老年精神医学雑誌,16: 479-487,(2005)