診療部門のご案内

脳神経外科

平成22年 3月01日現在

紹介・アピール

診療部長 田中 雄一郎(教授)

 脳神経外科では脳神経外科全般にわたり広く治療経験を有しております。特に(1)脳腫瘍、(2)脳血管障害、(3) 機能的疾患、 (4) 脊椎・脊髄疾患、 (5) 頭部外傷、 (5)小児先天奇形の5分野を柱に研鑽を積んでおり、年間手術件数は約300例です。脳腫瘍摘出術は約50例で、悪性脳腫瘍には、外科的手術に加えて、高圧酸素下化学療法を加える集学的治療を行い、効果を上げております。良性脳腫瘍は外科的手術で完結できますが、凝固・切開・蒸散が可能な電磁場メスを用いて安全確実な手術を行っており、従来の方法では摘出が困難であった脳深部・頭蓋底部の腫瘍摘出に効果を上げております。
 脳血管傷害ではくも膜下出血の原因となる脳動脈瘤治療は約50例で、開頭クリッピングだけではなく、低侵襲の血管内治療・動脈瘤コイル閉塞も多く経験しています。その他脳動静脈奇形、海綿状血管腫、もやもや病などの治療を行っています。脳内出血や虚血性脳血管障害については、Stroke Care Unitにて、神経内科と連携し、急性期治療、早期リハビリテーションに力を入れております。脊椎脊髄では頚椎・腰椎変形性脊椎症や椎間板ヘルニア、脊髄腫瘍など顕微鏡手術による低侵襲治療に力を入れております。水頭症、二分脊椎などの小児奇形疾患も増加しています。脳外科疾患は急性発症が多く、24時間365日対応します。しびれ、頭痛、めまいなど慢性症状にも脳外科疾患が潜んでいることも多く、これらの症状でも外来担当医にご相談頂きたく存じます。またセカンドオピニオンのご相談も受けております。

診療部長 田中 雄一郎(教授)
診療部長 田中 雄一郎(教授)

医師専門一覧

職名 氏名 専門分野 専門医・認定医等
(教授) 橋本 卓雄 脳神経外科一般、特に脳血管障害、脳腫瘍の外科的治療、脊椎・脊髄外来 日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医
部長(教授) 田中 雄一郎 脳神経外科一般、特に良性脳腫瘍の治療 日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医
(准教授) 田中 克之 脳神経外科一般、特に悪性脳腫瘍の治療 日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本救急医学会専門医、日本高気圧環境学会高気圧酸素治療管理医
講師 榊原 陽太郎 脳神経外科一般 日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医
医長(講師) 森嶋 啓之 脳神経外科一般、特に血管内治療 日本脳神経外科学会専門医、日本脳神経血管内治療学会専門医
医長(助教) 平本 準 脳神経外科一般、特に小児の脳神経外科、神経内視鏡 日本脳神経外科学会専門医、日本神経内視鏡学会技術認定医
医長(助教) 吉田 泰之 脳神経外科一般、特に悪性脳腫瘍の治療 日本脳神経外科学会専門医
医員(助教) 遠藤 秀 脳神経外科一般
医員(診療助手) 内田 将司 脳神経外科一般
医員(任期付助教) 小菅康史 脳神経外科一般

外来担当表

特殊検査、処置、入院、手術のご案内

名称 所要日数(時間) 説明
良性脳腫瘍摘出術(髄膜腫・聴神経腫瘍・下垂体腺腫など) 入院期間 約2週間 腫瘍摘出のみで完結できる頭蓋内原発の腫瘍で、手術に必要な術前検査および術後の治療期間は約2週です。
悪性脳腫瘍の治療 入院期間 約8週 摘出手術に加えて、放射線照射・化学療法が必要になります。当科では必要な症例に高圧酸素下の化学療法を併用した集学的治療を行っています。
くも膜下出血(破裂脳動脈瘤) くも膜下出血の重症度により入院期間や後遺症が異なります。突発の頭痛・嘔吐・意識障害で発症し、緊急の治療を必要とします。24時間365日受け入れ可能です。
未破裂脳動脈瘤開頭手術クリッピング 入院期間10日 くも膜下出血の予防的治療で、直径5mm以上の脳動脈瘤が破裂しやすく、積極的治療の対象となります。動脈瘤の形状により、クリッピングもしくは血管内治療を選択します。
未破裂脳動脈瘤血管内コイル閉塞 入院期間3日 同上
脳動静脈奇形(出血例) 急性発症ですので、24時間365日受け入れます。治療は手術もしくはガンマナイフ治療で行います。未出血例は時間をかけて治療方法を検討させていただきます。
もやもや病血行再建術 2週間 小児もやもや病の虚血発症を予防する目的で血行再建術が必要になる場合があります。
腰椎・頚椎脊椎変性疾患(前方固定、椎弓形成術) 1-2週 頚椎脊椎変性に対しては、神経根症状、脊髄症状が進行性の例には、前方固定もしくは椎弓形成による徐圧を行います。腰椎脊椎管狭窄に対しては、低侵襲の外科治療を行っています。
腰椎椎間板ヘルニア 1週 神経根症状が6-8週の保存的治療に手も改善しない症例に対して、顕微鏡下ヘルニア摘出術を行います。
脊髄造影検査(検査入院) 2日 腰椎脊椎管狭窄症は原則として術前に脊髄造影検査を行っています。
脳血管撮影(DSA)(検査入院) 2日 脳動脈瘤・脳動静脈奇形の治療法を決定したり、虚血性脳血管障害など狭窄病変の診断・治療法を検討するために必要な検査です。
顔面けいれん・三叉神経痛 7日 顔面けいれん・三叉神経痛は脳幹部の神経出口が血管で圧迫されているために生じます。開頭手術により、この部分にプロテーゼを挿入することにより症状が消失します。
硬膜動静脈奇形 内頚動脈海綿静脈洞ろうに対する血管内治療 3日 血管内治療による低侵襲治療ですが、術後数日の経過観察が必要です。
頚部頚動脈狭窄に対する内膜剥離術 10日 頚部頚動脈狭窄病変に対する内膜剥離術は最近では低侵襲のステント術に移行してきています。
頚部頚動脈狭窄に対するステント 3日 ステント術は内膜剥離術に変わる低侵襲の治療ですが、術後低血圧や徐脈などが生じることがあり、術後数日の経過観察が必要です。
低髄圧症候群 2日 外傷後もしくは特発性に発生する脳脊髄液の漏れが原因で頭痛・めまいなど種々不定愁訴が生じます。
特発性正常圧水頭症対する脳室-腹腔短絡術 7日 アルツハイマー病と間違えやすい症状を呈しますが、脳室腹腔短絡術により、痴呆症状、尿失禁、歩行障害が改善する特発性水頭症があります。正確に診断すれば治療可能です。

研究内容

【1】脳腫瘍に必要な手術機器の開発:蒸散・切開・凝固機能を有する電磁場メスの開発:周囲脳・神経・血管への影響なく安全・確実・迅速に腫瘍摘出を行う手術手技
【2】脳腫瘍摘出へのナビゲーションおよび超音波画像の応用:低侵襲かつ正確な手術を目指して、ナビゲーションを使用している。ナビゲーションの欠点として、開頭時、脳のシフトが生じるため正確性に問題があった。そこでリアルタイムの超音波画像をナビゲーション画像のMRIに重ね補正し、脳腫瘍の正確な摘出範囲を決定している。
【3】悪性脳腫瘍に対する高圧酸素下化学療法に関する治療:脳原発の悪性脳腫瘍に対する化学療法は十分効果が上がっていないが、高圧酸素下で行うことで治療を上げている。
【4】重症頭部外傷の病態に関する研究:予後不良の重症頭部外傷例に対する低体温療法、モニタリングなどの研究
【5】くも膜下出血の病態に関する研究:くも膜下出血の予後不良因子のひとつが脳血管れん縮である。治療成績向上を目的に、くも膜下出血後の脳血管蓮縮、脳循環に関する研究を行っており、臨床応用している。
【6】脳動脈瘤の血行力学に関する研究・血管内治療への応用
【7】神経再生に関する研究:神経再生医療の基礎的研究を行っている。
【8】脳浮腫に関する研究:脳浮腫にはアクアポリンが関与しており、脳浮腫を防止する研究を行っている。


取り扱っている主な疾患

主な手術および検査件数(平成19年度実績)

脳腫瘍摘出手術 54

脳腫瘍生検術 11

経蝶形骨洞手術 11 

広範囲頭蓋底腫瘍切除・再健術 2

破裂・未破裂動脈瘤クリッピング術 19

脳動静脈奇形摘出術 1

開頭血腫除去術 10

急性硬膜下血腫除去術 14

慢性硬膜下血腫ドレナージ術 68

脳室・副腔短絡術 9

脊柱管拡大術 8

脳動脈瘤コイル塞栓術 33

脳動静脈奇形流入血管塞栓術 8