平成22年 3月01日現在
小児外科は出生前の胎児の診断・治療にかかわり、次いで生後間もなくの乳児から思春期までの長い成育期間にある子ども達の外科治療を担当しています。私ども小児外科医が治療に専念します当病院には、産科、婦人科、小児科など直接患児を診療する科の医師と、手術を支援する麻酔科、合併する様々な疾患を扱う血管心臓外科、脳神経外科、耳鼻咽喉科、整形外科、形成外科、呼吸器外科などの専門医が在籍します。当病院では診断部門も各種画像診断部や内視鏡センターあるいは病理診断部など、それぞれ小児疾患をカバーする専門家の支援が得られ、お子様方は適切な診療を受けることができます。
主な診療内容は、新生児の外科的疾患の手術、小児がんの集学的治療、小児期に多い鼠径ヘルニアや虫垂炎などの手術、小児の外傷や熱傷の治療、便秘などの消化管機能不全の診断と治療、思春期に多い腹痛疾患で発見される疾患の手術など多岐に亘ります。ことにこれらは緊急疾患であることが多く、救命救急センターとの連携が密接であり、少ないスタッフではありますが、効率よく全てを診療するように心がけております。
別表で提示致しますが、各スタッフはそれぞれ責任分担し、かつ連携して診療に当たっておりますので、何なりと各外来担当医にご相談下さい。

診療部長 北川 博昭(教授)
| 職名 | 氏名 | 専門分野 | 専門医・認定医等 |
|---|---|---|---|
| 部長(教授) | 北川 博昭 | 胎児診断と新生児外科および小児呼吸器疾患の内視鏡診断と外科治療を担当。小児外科一般診療に加え、重症心身障害児の管理や外来での長期観察などを行う。 | 日本外科学会指導医・認定医・専門医、日本小児外科学会指導医、日本小児外科学会専門医 |
| 副部長(准教授) | 脇坂 宗親 | 小児外科一般診療、特に外鼠径ヘルニア、新生児外科、外傷外科などを担当。小児外科における腹腔鏡手術を実施。 | 日本外科学会認定医・専門医、日本小児外科学会指導医・専門医 |
| 主任医長(助教) | 島 秀樹 | 小児外科一般診療の他、特にHirschsprung病や便秘などの消化管機能不全の診断・治療を担当する。救命救急センター来院の小児外科患児のトリアージ、初期治療なども担当する。 | 日本外科学会専門医、日本小児外科学会専門医 |
| 医長(助教) | 新開統子 | 小児外科・新生児外科の一般診療を担当。その他新生児外来・思春期外来も担当。 | 日本外科学会専門医、日本小児外科学会専門医 |
| 医長(助教) | 古田 繁行 | 小児外科一般診療のほか、特に悪性腫瘍の診断・治療を担当する。 | 日本外科学会専門医、日本小児外科学会専門医 |
| 医長(助教) | 濱野 志穂 | 小児外科一般診療の他、主に小児固形腫瘍の診断・治療を担当する。腹腔鏡手術も担当する。 | 日本外科学会専門医、日本小児外科学会専門医 |
| 医員(助教) | 青葉 剛史 | 小児外科一般診療、特に外鼠径ヘルニアや急性虫垂炎などの日常疾患を広くカバーする。 |
| 名称 | 所要日数(時間) | 説明 |
|---|---|---|
| 鼠径ヘルニア・陰嚢水瘤手術 | 3日の入院(年長児の場合には1泊2日も可) | 手術前日の午後入院。手術日は火曜日、金曜日です。手術翌日朝に退院できます。 |
| 臍ヘルニア手術 | 3日の入院(年長児の場合には1泊2日も可) | 手術前日の午後入院。手術日は火曜日、金曜日です。手術翌日朝に退院できます。 |
| 停留精巣手術 | 3日の入院 | 手術前日の前日入院。手術日は火曜日、金曜日です。手術翌日朝に退院できます。 |
| 急性虫垂炎手術 | 5~7日の入院 | 腹膜炎を合併している場合には入院期間は長くなる場合もあります。 |
| 腸重積症 | 2日の入院(手術の場合には約1週間の入院) | 小児科、放射線科、小児外科で常に緊急に対処できる準備をしています。高圧注腸整復で整復できない場合は手術となります。 |
| 肥厚性幽門狭窄症 | 約7日の入院(手術後、5日間) | 脱水、酸塩基平衡を改善させてから手術を行います。手術は傷の目立たない臍切開法も行っております。 |
| 腹部腫瘍 | 検査:2~3日の入院手術・治療:疾患によっては数週間以上の入院となります。 | 神経芽腫、ウイルムス腫瘍、肝芽腫など小児悪性腫瘍や良性の腹部腫瘍が対象です。早急に診断し、治療を行います。 |
| 頸部腫瘤 | 検査:2~3日の入院手術・治療:疾患によっては1~2週間以上の入院となります。 | 正中頸嚢腫や側頸嚢胞、甲状腺疾患、頸部リンパ節腫大などの疾病が対象です。症状に応じて、入院検査、治療を行います。 |
| 肛門周囲膿瘍(乳児痔ろう) | 外来治療を行いますが、入院が必要となることもあります。 | 乳児期の肛門周囲膿瘍は比較的多い疾患です。大部分は乳児期に治癒しますが、成人型痔痩では手術が必要です。 |
| 異物誤飲 | 2~3日の入院 | 気管内異物(ピーナッツ)や消化管異物(コインやボタン電池など)は乳幼児に多い疾患です。内視鏡的摘出術が必要な場合も多く、常に準備を整えています。 |
| 新生児先天性疾患 | 入院 | 先天性心疾患を除く、胸部、腹部、表在の先天性疾患が対象です。小児科(新生児科)と連携して治療にあたります。 |
| 嘔吐精査 | 検査:行えるものは外来で行います。 治療:疾患によっては入院が必要です。 | 新生児期、乳児、幼児、学童期と様々な疾患で見られます。脱水が強い場合には、緊急入院後、精査いたします。 |
| 腹痛精査 | 軽症:外来通院 重症:3~10日の入院が必要です。 | 急性虫垂炎、急性腸炎、急性膵炎、腸重積症を含む腸閉塞症など、様々な疾患があります。症状が強い場合、緊急入院検査、治療を行います。 |
| 血便精検査 | 軽症:外来通院 重症:2~10日の入院 | 多くは直腸炎ですが、腸重積症、直腸ポリープ、メッケル憩室、急性腸炎など様々な疾患が考えられます。症状が強い場合、緊急入院検査、治療を行います。 |
| 便秘精査 | 外来又は入院2~3日 | 多くは慢性便秘ですが、なかにはヒルシュスプルング病、肛門狭窄症などが考えられます。注腸、内圧検査、直腸組織生検を行い、個々の症状に合った治療を行います。 |
| 黄疸精査 | 外来で検査を行いますが、入院・手術が必要になることもあります。 | 胆道閉鎖症、胆道拡張症、肝炎などが考えられます。超音波検査、CT検査を行い、個々の症状に合った治療を行います。 |
| 外陰部異常(包茎、陰唇癒合症を含めて) | 外来で検査を行いますが、入院・手術が必要になることもあります。 | 鎖肛(直腸皮膚痩)、前方肛門、包茎、陰唇癒合症など考えられます。包茎、陰唇癒合症では手術療法でなく保存的治療(軟膏治療)で、良い結果を得ています。 |
| 気管狭窄 | 検査:画像検査は外来で行います。 治療:外科治療が必要な場合は3~4週間の入院が必要です。 | 先天的・後天的な声門下狭窄に対し、肋軟骨を頚部に移植する手術を行います。重症心身障害児の気管切開・喉頭気管分離術なども行っています。 |
1.実験胎児治療:近い将来可能と思われる胎児治療の実施に向けて羊胎仔による実験系を確立し、様々な胎児疾患の治療を試みています。この実験はオタゴ大学との共同研究で、年数回ニュージーランドで実験います。
2.小児がんの遺伝子検索:診断と治療方針を決定づけるのに有用な腫瘍遺伝子の発見と解析に携わっております。研究は当大学病理学教室ならびに千葉がんセンター生化学部門のご指導を得て行っております。
3.Hirschsprung病の研究:比較的発生頻度の高いHirschsprung病の病態解明と診断法を中心に、日常遭遇するがんこな便秘症の精査に通ずる臨床研究です。
4.内視鏡によるレーザー治療の基礎的研究:小児においても内視鏡を用いた治療の必要性は高まっており、気道内視鏡のレーザー治療の安全性確立のための実験研究です。
5.横隔膜ヘルニアの研究:依然死亡率の高い重症横隔膜ヘルニアを救命すべくその発生要因と胎児治療の可能性につき、ラットを用いた実験研究を行っています。
1.入院総数 609
2.総手術数 404
鼠径ヘルニア手術 169
虫垂炎手術 60
新生児手術 13
