平成22年 3月01日現在
当科では、関節リウマチをはじめ、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎、高安動脈炎、結節性多発動脈炎、ANCA関連血管炎、成人スチル病などの膠原病や、ベーチェット病、強直性脊椎炎などの膠原病類縁疾患、気管支喘息などのアレルギー性疾患の診断・治療をおこなっております。多くの疾患は、全身の多臓器に障害をきたす可能性を秘めているため、患者さんの全身管理が重要です。さらに、慢性疾患であるため、年余にわたり継続的に診療することが重要です。このため、特に難治性病態を抱かれた患者さんに対しては、各担当医がホームドクターのような立場で、何かあったらすぐに相談に乗れるような体制で診療にあたっております。当科では、年間 名のリウマチ・膠原病の患者さんが入院します。外来には、のべ30,000人以上の患者さんの受診があり、45床の専門病棟と午前午後と各3診の外来体制で対応しております。
リウマチ・膠原病領域は、近年の医療の進歩に伴い、診断や治療体系が劇的に改善しております。当科では、その最前線に立ち、積極的に先進医療を取り入れ、個々の患者さんにとって最適な方法で医療を提供するべく日々研鑽しております。ステロイドを極力控えるための新しい免疫抑制薬の導入、リウマチ性疾患に対する生物学的製剤の適切な導入、感染症や骨粗鬆症、動脈硬化など治療に伴う合併症に対する予防対策なども日々改良を加えて提供しております。
また、先進医療の一環として、現在は医師主導型の臨床試験を18本立ち上げて推進しており、新しい診療体系を確立するためのエビデンスを発信しつつあります。
特に結節性多発動脈炎などの血管炎症候群に関しては、厚生労働省の「ANCA関連血管炎臨床研究班」「難治性血管炎調査研究班」の中心機関として、難治性重症血管炎に対する先進的な治療をおこなっております。また、膠原病に合併した間質性肺炎や肺高血圧症、ループス腎炎、その他の膠原病の治療に関しても、豊富な臨床経験に基づき早期診断と治療をおこなっております。
近隣地域の医療機関との病診連携、重症難治症例に関しての病病連携(西部病院、東横病院、町田市民病院など)にも重点を置き、近隣の先生方からのあらゆる要請に迅速に対応できるような体制の強化に努めております。さらに、近年の生物学的製剤の導入により、関節リウマチにも早期に適切に治療すれば寛解治癒する可能性が増えております。このため、神奈川県内のリウマチ専門医の方々との連携を深め、関節リウマチの早期寛解導入を目指した他施設共同の前向き臨床試験を推進しております。
患者さん一人一人に対して、安全でかつ最善の医療を提供できるよう、本年もさらに努力してゆきたいと考えています。

診療部長 山田 秀裕(准教授)
| 職名 | 氏名 | 専門分野 | 専門医・認定医等 |
|---|---|---|---|
| 医学部長(教授) | 尾崎承一 | 関節リウマチ、血管炎、膠原病全般 | 日本内科学会認定内科医・指導医、日本リウマチ学会指導医・専門医 |
| 診療部長(准教授) | 山田秀裕 | 関節リウマチ、間質性肺炎、膠原病全般 | 日本内科学会認定内科医・指導医、日本リウマチ学会指導医・専門医 |
| 副部長(講師) | 岡崎貴裕 | 関節リウマチ、膠原病全般 | 日本内科学会認定内科医・指導医、日本リウマチ学会指導医・専門医 |
| 副部長(講師) | 永渕裕子 | 関節リウマチ、膠原病全般、血管炎 | 日本内科学会認定内科医・指導医、日本リウマチ学会指導医・専門医、日本アレルギー学会専門医・認定医 |
| 主任医長(助教) | 大岡正道 | 関節リウマチ、膠原病全般 | 日本内科学会認定内科医・指導医、日本リウマチ学会専門医・指導医 |
| 医長(助教) | 柴田朋彦 | 関節リウマチ、膠原病全般 | 日本内科学会認定内科医・専門医・指導医、日本リウマチ学会専門医・指導医 |
| 医長(助教) | 山崎宜興 | 関節リウマチ、膠原病全般 | 日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会専門医 |
| 医長(助教) | 中野弘雅 | 関節リウマチ、膠原病全般、ベーチェット病 | 日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会専門医 |
| 医長(助教) | 東浩平 | 関節リウマチ、膠原病全般 | 日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会専門医 |
| 医長(助教) | 小川仁史 | 膠原病全般 | |
| 医員(任期付助教) | 勝山直興 | 膠原病全般 | |
| 医員(任期付助教) | 殿岡久美子 | 膠原病全般 | 日本内科学会認定内科医 |
| 医員 | 小俣正美 | 膠原病全般 | |
| 登録医(非常勤講師) | 菅田文彦 | 関節リウマチ、膠原病全般 | 日本内科学会認定内科医、日本リウマチ学会専門医 |
| 登録医(非常勤講師) | 廣田浩一 | 関節リウマチ、膠原病全般 | 日本内科学会認定内科医・専門医、日本リウマチ学会専門医、日本アレルギー学会専門医・認定医 |
| 顧問医(教授) | 鈴木 登 | 関節リウマチ、膠原病全般 | 日本内科学会認定内科医・専門医・指導医 |
| 顧問医(教授) | 加藤智啓 | 関節リウマチ、膠原病全般 | 日本リウマチ学会指導医・専門医 |
| 顧問医(准教授) | 遊道和雄 | 関節リウマチ、膠原病全般 | 日本リウマチ学会認定医 |
| 登録医(講師) | 鈴木真奈絵 | 関節リウマチ、膠原病全般 | |
| 登録医(講師) | 増子佳代 | 関節リウマチ、膠原病全般 | 日本内科学会専門医、日本リウマチ学会指導医・専門医 |
| 登録医(講師) | 山野嘉久 | 膠原病全般 | 日本内科学会認定内科医・専門医、日本神経学会専門医 |
| 名称 | 所要日数(時間) | 説明 |
|---|---|---|
| 生物学的抗リウマチ薬治療 | 外来 | 現在4種類の新規抗リウマチ薬が市販されていますが、各薬剤の特性を生かし、患者さんの病状に会わせた適正な用法用量を用いた治療により、患者さんの安全性を高め、かつ経済的負担を軽減する新しい試みを行っております。 |
| 関節リウマチ早期寛解導入療法 | 外来 | 発症2年以内の関節リウマチ患者さんに対して、寛解治癒を目指した新しい治療プロトコールに基づく治療を行っております。 |
| 肺高血圧症早期診断治療 | 外来 | 膠原病患者さんに合併する肺高血圧症は重篤な合併症ですが、早期に診断・治療することにより、予後の改善が期待されます。教室独自の診断法とステップアップ療法を用いております。 |
私どもの教室の研究テーマはリウマチ・膠原病の発症機序の解明と新規治療法の開発です。特に、病気に関連した自己抗原の解析とその臨床応用に力を注いでいます。
(1)抗好中球細胞質抗体の認識抗原のひとつが、High mobility group(HMG)蛋白質、HMGB1とHMGB2であることを明らかにしました。抗H M G B 1 / H M G B 2抗体測定系ELISA、および、可溶性HMGB1蛋白質の測定系を確立して、これらの臨床的意義の解明を目指しています。
(2)平成14年度から6年間、教室の尾崎承一教授は、厚生労働省特定疾患難治性血管炎調査研究班の主任研究者として、日本における血管炎の治療法の確立や、血管炎の病因・病態の解明のための臨床研究をおこなってまいりました。これまでに、ゲノミクス/プロテオミクスという新しい手法を応用して、いくつかの成果が見られています。また、MPO-ANCA関連血管炎に対する重症度別治療プロトコールの有用性を明らかにする前向きコホート調査研究を多施設共同で行っています。
(3)関節が破壊される病気である関節リウマチの実験モデルを確立して、骨を破壊する機序の解明を目指しています。
(4)関節リウマチの早期寛解導入プロトコールを作成し、その有用性を検証するために多施設共同で前向き臨床試験を推進しております。
(5)膠原病の肺病変や肺高血圧症につき、当科で経験した多くの症例に基づいて解析を行い、今後の治療の方向性に役立てるべく検討・研究を行っています。
(6)ループス腎炎に対する新しい免疫抑制薬の有用性を検討するための前向き臨床試験を推進しております。
1.関節リウマチ
2.全身性エリテマトーデス
3.多発性筋炎/皮膚筋炎
4.強皮症
5.混合性結合組織病
6.血管炎症候群
1.高安動脈炎
2.側頭動脈炎
3.結節性多発動脈炎
4.顕微鏡的多発動脈炎
5.Wegener's肉芽腫症
6.アレルギー性肉芽腫性血管炎
7.成人型スチル病
8.リウマチ性多発筋痛症
9.RS3PE症候群
10.乾癬性関節炎
11.SAPHO症候群
12.強直性脊椎炎
13.再発性多発軟骨炎
14.ベーチェット病
