来院・入院の方

聖マリアンナのチーム医療

他職種による緩和ケアチーム


緩和ケアチーム(PCT)とは

緩和ケアとは、生命を脅かす疾患に伴う問題に直面している患者さんとそのご家族にとって、身体や心のつらさ、苦痛を和らげて、出来るだけ快適な生活が送れるように支援する医療です。当院では、入院中の患者さんとそのご家族に対し、緩和ケアを行うことによって、痛みやその他の身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな問題をより早期に解決し、苦痛を予防あるいは軽減することを目指しています。緩和ケアチーム(Palliative Care Team:PCT)は、その緩和ケアを提供するために、身体症状の緩和を担当する医師、心のつらさを和らげる医師、看護を担当する看護師(認定看護師)、薬剤師、栄養士、理学療法士、ソーシャルワーカーなどが、主治医、病棟看護師と協力して働く専門のチームです。


当院緩和ケアチームのあゆみと実績

聖マリアンナ医科大学病院では、2009年12月より院内で緩和ケアチームを立ち上げ、活動を開始しています。当初、多職種8人で活動を開始したメンバーも、現在では20人に増え、多くの診療科からの依頼に対応しています。
活動開始1年目は年間75人の新規依頼がありました。現在活動開始後3年目を迎え、2009年12月~2012年9月までに305人の患者さんとご家族に介入しています。また、地域がん診療連携拠点病院としての役割を果たしながら、院内外の緩和ケア啓発、教育活動にも積極的に取り組んでいます。


役割と対象疾患

■麻酔科ペインクリニック
ペインクリニックは、がん性疼痛をはじめとする痛みのある患者さんを対象とし、その診断と治療を、神経ブロックを応用して行う臨床部門です。当院では、ペインクリニック専門医、日本緩和医療学会暫定指導医が治療を行っています。痛みに対する評価・診断、薬物療法、4.PCA(patient control analgesia)の患者選択、PCA内容の検討、神経ブロック療法等を行っています。院内緩和ケアチームの一員として、疼痛緩和のための治療計画を主治医、緩和ケアチームへ提案しています。


  • 神経ブロック
    脳脊髄神経や脳脊髄神経節または交感神経節およびそれらの形成する神経叢に向かってブロック針を刺入し、直接またはその近傍に局所麻酔薬または神経破壊薬を注入して、神経の伝達機能を一時的または永久的に遮断する方法です。
    神経ブロック療法の時期は、患者さんの体調や施行する時期が重要です。担当の先生とご相談し神経ブロック療法だけではなく、患者さん本人に一番より良い鎮痛方法を考えていきたいと考えています。

■身体科医師
緩和ケアチームのうち身体科医師の役割は、おもに痛みや嘔気などの身体的な苦痛に対する対応を担当します。がんをお持ちの患者さんの症状であっても、がん以外の内科的症状も見逃しません。また例えば患者さんが抗がん剤治療中であれば、治療背景に合わせた症状の対処法を考えます。
しかし、身体症状は精神状態や社会的な問題とも密接に関連してくることが多いため、精神科医や心理士、ソーシャルワーカーなど他の多職種メンバーとも連携をとりながら患者さんがなるべく辛くなく、楽に毎日を過ごせるようなお手伝いをさせて頂きたいと思っています。また、身体症状にだけ焦点するのではなく、患者さんが大切にしたいと考ることを常に尊重し、患者さんがその人らしく過ごしてゆけるようなサポートができたらと考えています。


■精神科医師
人は誰でも、自分が大変重い病気にかかるとは、日頃からは想像すらしないものです。しかし、もしあなたが、癌などの大変重い病気にかかったとわかると、さまざまな心の変化が起こってきます。その心の状態をなるべく普段と変わりなく、落ち着いて、冷静な対応をできるようにするようにできればと、私たちも考えております。
心を落ち着かせるため、少しでも、何らかの援助することができればと考えております。大きな心のショックを少しでも小さく出来るために、カウンセリングによる治療、お薬を飲んで頂くことなどをしております。
少しでも、本当の自分の時間を長く過ごせるように、一緒に頑張っていきたいと心から願っております。


■放射線科医師
放射線治療センターには放射線治療を行う放射線腫瘍医とカテーテルを用いて血管内治療などを行うIVR医が所属しています。主治医と緊密な連携をとりながら患者さんの診療を行っています。
緩和領域における放射線治療の役割は進行した原発巣や転移巣によって起こる麻痺、出血、呼吸苦、嚥下困難など多岐にわたる症状の改善であり、その中でも骨転移による疼痛緩和が代表的です。IVRの役割は、骨転移に対する骨セメント療法、静脈確保が困難な患者さんの皮下植え込み型点滴ライン(CVポート)作成、消化管狭窄や胆道狭窄など腫瘍による通過障害を拡張する治療(ステント挿入、バルーン拡張)などです。基本的には担当する主治医の先生からの紹介を受けて診療を行い、治療終了後も定期的に診察を行います。放射線治療センターは入院ベッドを有していないため放射線治療目的の入院につきましては担当医と御相談下さい。


■病棟看護師
緩和ケアチームの看護師は、緩和ケアチームの中で中心となり、専従医師をはじめ、チームの専門職の方々と協力し合い活動しています。身体的・精神的に抱えているつらさや気がかりなことなど、直接患者さんやご家族からお気持ちを伺います。そして、患者さんとご家族の想いを尊重しながら、「その人らしさ」を大切にしたサポートを行っていきたいと思います。
また、病棟スタッフと緩和ケアチームとの橋渡しだけでなく、緩和ケアチーム内の連絡・調整役割も果たしています。皆が同じ目標に向かい、患者さんとご家族にとって最善の状態が得られるようサポートさせていただきます。


■薬剤師の役割
当院では、各病棟にそれぞれ専任の薬剤師が配置され、病棟の医師、看護師など多職種と連携をとりながら、患者さん一人一人に合わせた薬物治療の提案、効果の確認、副作用のモニタリング、薬の説明などを行っています。緩和ケアチームの薬剤師は、これら病棟の薬剤師と連携をとりながら、緩和ケア領域における薬物治療の調整を行っています。具体的には個々の患者さんに合わせた鎮痛薬や抗不安薬の提案・投与量の調節、そして副作用が生じた場合の対応等を薬学的な面からサポートしています。医療用麻薬などに対する患者さんの不安を取り除き、苦痛を取り除くためのお薬の説明も行います。薬について気になること、心配なことがあれば、いつでも相談して下さい。


■臨床心理士
がんを抱えていくことは、がん患者さんやそのご家族の心や生活に大きな変化をもたらします。心や生活に与える負担は計りしれず、他人にどう伝えていいか、どこまで話していいかわからないと戸惑われることと思います。
現状をどう受け止めていいかわからない。家族とどう接していいかわからない。自分の気持ちを整理したいなど、心の迷いや戸惑い,不安や辛さを気兼ねなく率直に心の専門家にお話ししていただければと考えています。
人は、がんになったとわかった時点から、それまで何気なく過ごして来た日常生活から、今まで気がつかなかった自分や家族への想いへの気づきが生まれます。改めて自分らしく、その人自身の人生を生き直す機会を与えられたともいえます。患者さんが身体や心の辛さを抱えながら,自分自身がどう生きたいかを考え、それを実現するお手伝いができればと思っています。


■管理栄養士
入院の際は、入院栄養窓口にて、管理栄養士が、患者さん一人一人に問診を行い、体重の変化、食欲・吐き気・下痢の有無、食物アレルギーの有無などについて伺い、入院中に適切な栄養管理が行われるよう計画しています。気になる症状や食事に関することなど何かありましたら申し出て下さい。
入院中は、食事内容や摂取量などを確認し、適切な栄養摂取ができるようサポートさせていただきます。定期的に病室にお伺い致しますので、食事や栄養についてご要望がありましたらご相談下さい。
退院前には、栄養相談を行っています。退院後の食事について不安や疑問などがありましたらお気軽にご相談下さい。


■リハビリテーション
患者さんとご家族の要望を尊重しながら、状態に合わせ出来る限り最高の日常生活が送れること、身体的、精神的、社会的にも質の高い生活が送れることを目指します。
具体的には、安静に伴う筋力や体力の低下、麻痺などによる運動障害に対する日常生活動作訓練や筋力、体力をつけるための運動指導、リンパ浮腫に対するリンパドレナージや圧迫などの指導、食事を摂ることが難しくなった患者さんに対する訓練や食形態の検討、心理支持的な目的として作業活動の導入などを行っています。
また、自宅生活に向けての環境調整や介護指導、杖や補装具の選定なども行います。


■ソーシャルワーカー
ソーシャルワーカーは患者さんとご家族の受療療養において起こる様々な生活課題の相談を担当します。 例えば、医療費や生活費等の経済的課題に対して社会保障・福祉制度の活用、仕事や家族関係などの生活課題、療養先に関することや介護の問題等・・・です。
患者さんとご家族の社会生活を含めて支えるケアが緩和ケアです。ご心配なことがありましたら、いつでもご相談下さい。


■事務
緩和ケアチーム活動における準備や事務手続き、研究会および症例検討会等の運営など、チームスタッフがよりスムーズに活動し、患者さんへの支援が滞りなくできるよう様々な形でサポートしています。