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漏斗胸外来


漏斗胸の治療(バキュームを使った保存的治療)


 当院の漏斗胸治療の特徴は、手術だけでなくバキュームベルという吸引器を使った保存的治療を行っていることです。年々患者さんは増えており、ほぼ100人に達したので、患者さんの内訳を呈示することに致しました。多くの患者さんの参考になれば幸いです。
 図1は、当院に来られて、治療できる年齢に入った4歳以上の漏斗胸患者さんの年齢と性別で、4〜40歳(平均12.6歳)、男71人、女26人でした。
 図2が来院した理由です。半数が美容的に気になって来られました。
 図3はどんな治療を選択したのか?です。半数の方々は無治療で、1/3はバキュームベル(吸引器)、1/6が手術を選択していました。




表1.選択した治療の理由:

 残念なことにバキュームベルは、保険適応外診療なので自費診療となっています(輸入会社から約10万円で購入して頂いています)。そのため、バキュームを試したいのだけど、「10万円はちょっと、、、」という理由で、断念したり、手術を選択している方々が少なからずいらっしゃいました。

 ここからは、バキュームをしている(していた)患者さんの結果と経過を説明します。2008年か6年間でバキュームベル治療を選択した患者さんは32人でした。

 治療の効果は、直接凹みをメジャーで測定する方法(図4)とCTで測定する方法(図5)の二つを行っています。図4は、バキュームベル(V)後には、ほとんどの方に効果があったことを示しています。しかし、図5では、骨・軟骨の形はほとんど変わっていなかったことを示しています。では、なぜ、凹みはよくなったのか?これはCTをよく見るとわかります。

 図6の上の写真のように、バキュームベル後の見た目はとてもよくなっています。図6下はCT画像です。黄色のラインが皮膚です。黄色のラインの下の黒いスペースは脂肪がいるところです。つまり、骨が上がって見た目がよくなったのではなく、皮下脂肪が厚くなったために見た目が改善したのです。


 しかし、我々はこれをネガティブな結果とは思っていません。図7に患者さんと医師の満足度調査の結果をお見せしましょう。青が患者さん、赤が医師の満足度です。不満であった患者さんはわずか1名で、この患者さんは手術が行われました。
 現在の患者さんの状況を図8に示しました。形態に満足し再発なく過ごしている2名はバキュームベルを終了しています。13名は現在も治療続行していますが、続けていないと再発するからですし、もっと良くしたいと願っているからです。実は、来なくなってしまった人が10人います。なぜ来なくなってしまったのかは不明です。




 以上が、当院で行っている漏斗胸治療の現状で、バキュームベル(保存的治療)の結果を中心にお話しました。漏斗胸の多くは、内臓に異常はきたしませんので、美容の問題で治療に悩まれます。もちろん、Nuss手術も行っていますので、漏斗胸で治療に悩まれているご家族もしくは患者さんは、気軽に相談にいらして下さい。