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認知症(老年精神疾患)治療研究センター

最終確認日:2017/4/5
ご挨拶

■センター長 堀 宏治(特任教授) 
 認知症治療研究センターは、平成2年に設置され、平成9年より、病院の診療施設として機能しています。平成24年12月からは、川崎市より認知症疾患医療センターとして認定され、川崎市北部の地域型センターとして、電話による専門医療相談、鑑別診断とそれに基づく初期対応、合併症・周辺症状への初期対応、かかりつけ医や地域包括支援センターとの連携、さらに介護・福祉と医療の他職種による症例検討会や研修会などを開催しています。
 具体的には、初期アルツハイマー型認知症のスクリーニング検査として当院で開発し、多くの臨床場面で活用されている聖マリアンナ医科大学式コンピューター化記憶機能検査(STM-COMET)や画像検査(頭部MRI、SPECT)による早期診断、軽度から中等度の認知症患者さんを対象とした薬物療法や新薬開発のための臨床試験(治験)などを行っているほか、専門外来として認知症診断外来(火・木曜午後:完全予約制)も設置しています。

 認知症と加齢の大きな違いは、加齢では認知機能が徐々に低下するのに対し、認知症はある段階から急激に低下します。もちろん診察時(現時点)の認知機能評価はとても大切となりますが、このまま認知機能が徐々に低下するのか、今後急速に低下するのかを予測することがより認知症治療には重要となってきます。また、発症初期の段階には、自分の内面の”本音”の部分を大脳皮質の”建前”がコントロールできなくなり、嫌なものはいやという態度をとり始める場合もあります。このような方はもともと感情の起伏があったり、激情型であったりする方が多いように思われます。こういった場合は、通常の認知症の治療薬の処方では怒りっぽくなったりすることもあり、通常とは異なる治療を選択する必要もあります。このために、現病歴だけでなく、生活歴の聴取がより大切となります。当センターではその視点を取り入れながら診療を行っております。認知症の相談で診察をご希望される方は、まず神経精神科の一般外来を受診してください。

 さらに当センターでは、非薬物療法として、コーラス活動(フロイデンコーワ)や、患者さんに対する直接診療だけではなく、神経精神科医師・看護師・臨床心理士が一丸となり、介護する家族のための相談や講義形式の指導(家族のための認知症はじめて講座)、認知症専門看護師による個別の介護相談、地域住民の啓発活動の実践(公開講座の開催)、患者さんに関わる施設職員の援助や研修などを行い、よりよい医療のための認知症治療研究も進めています。


業務の案内

(1)診療と治療研究について

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 神経精神科一般診療の他に専門外来として、認知症診断外来を開設し、認知症ならびにその疑い患者の診療・追跡調査を行います。非可逆的経過をたどる認知症の早期診断、早期治療介入による日常生活ならびに社会機能の維持の可能性を追求しています。早期診断に関し、診断精度を高めるために、頭部MRIでの海馬容積測定や正確に且つ客観的に記憶機能を判定するための神経心理学的検査として聖マリアンナ医大式コンピュータ化記憶機能検査(STM-COMET)を考案し施行しています。

 
<聖マリアンナ医大式コンピュータ化記憶機能検査(STM-COMET)>

当教室が開発した、コンピュータを用いた記憶機能検査。認知症スクリーニング検査として用いられる改訂版長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)と組み合わせると診断精度がより上がるため、アルツハイマー型認知症の早期介入に有用です。外来・一日検査入院で主に実施されている検査です。

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<一日検査入院>

認知症診断に必要な複数の検査を、一日で検査を終わらせることが出来る、患者さまのご都合に配慮した短期入院(別館2階南神経精神科病棟にて)です。

 
<認知症診断外来>

平日午前の神経精神科外来を受診してください。受診された方の中から、担当医の診察により認知症が疑われた方に対し、専門外来である認知症診断外来での診察予約がなされます。
●神経精神科一般外来受付時間:平日9:00~11:00
●認知症診断外来:火曜・木曜の14:00~(完全予約制)
認知症診断外来では、一般血液、生化学、血清検査、頭部画像検査、STM-COMETなどの認知機能検査を施行します。その際、都合の良い日にそれぞれの検査をご予約いただくか、一日検査入院を利用していただきます。

 
<認知症はじめて講座>

神経精神科医師、臨床心理士、認知症看護認定看護師が各1回講師となり、認知症の疾患理解・症状理解・対応・介護についての講義を行います。参加対象は神経精神科外来を受診した認知症患者さんを抱える家族の方々です。
●開催日:1クール3セッションで水曜日1時~(1時間)実施
●開催日予定(平成29年度):
第45クール(4月19日~5月10日)
第46クール(8月30日~9月13日)
第47クール(11月29日~12月13日)
第48クール(1月31日~2月14日)

 
<フロイデンコーア>

フロイデンコーアとは『喜びの合唱』という意味で、合唱を通じて認知症患者さまとそのご家族を支え、団員との交流から社会性の維持を図る非薬物療法的介入です。音楽的高いレベルを目指すことで『生きる自信や喜びに繋がり、病気であっても豊かな生活が送れる』といった認知症に対する理解と認識を深める啓蒙活動も行っています。
●活動日:毎週火曜日15時30分~16時30分
●参加者:認知症患者とその家族。音楽療法士を中心に活動を行っています。外来医にお問い合わせください。

 
<認知症看護相談>

認知症看護認定看護師による認知症患者や家族の介護・生活相談支援面接。
●対象者:神経精神科外来患者とその家族
●面接構造:1相談30分1500円。神経精神科外来にお問い合わせください。

 
<認知症専門医療相談>

精神科に所属する精神科ソーシャルワーカーが電話で対応し、専門医や他の関係機関につなぎます。また、臨床心理士が介護相談や治療導入までのサポートを含めた支援を面接で対応いたします。
●受付時間:月曜~金曜 9時30分~16時30分
●連絡先:044-977-6467

 
(2)啓蒙活動について

公開講座開催:年1回、地域在住の一般住民や施設職員を対象に行っています。
過去5年の開催内容

平成28年度 堀 宏治先生 もの忘れはここに気を付けて~認知症についての誤解
平成27年度 橋本知明先生 もの忘れ?認知症?~認知症基礎講座~
平成26年度 長谷川和夫先生 認知症デイケア~家族会のこれまでとこれから~
平成25年度 秋下雅弘先生 認知症と生活習慣病~認知症の予防は生活習慣の改善から~
平成24年度 杉山恒之先生 正しく知ろう アルツハイマー病のお薬
平成23年度 渡部廣行先生 認知症と成年後見制度について

 
(3)施設職員研修・教育・援助等について

●施設研修生の受け入れ
●院外から講師を招いての講演会(不定期)
●「水曜会(認知症を抱える家族の会)」(年5回開催)の援助
●地域の諸機関(保健福祉センター、老人ホーム、傾聴ボランティア講習会・医師会など)から依頼される講演会講師など
 
■担当科
神経精神科