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呼吸器病センター

呼吸器病センター

ご挨拶

平成15年12月、呼吸器内科と呼吸器外科とが一体となって診療する「呼吸器病センター」が発足致しました。呼吸器診療の中心は激増する肺癌です。センターでは、3D-CT・MRI・蛍光/超音波気管支鏡・クライオ生検などを駆使し、肺癌の診断・病期分類をスピーディに進め、カンファレンスで検討し、各々の患者さんに適した治療を行っています。具体的には胸腔鏡下を含めた手術療法や化学療法などの集学的治療を内科と外科が密に連携し、放射線科の協力も得て肺癌に相対しています。その他、気管支喘息・呼吸器感染症・間質性肺炎などのび慢性肺疾患・慢性閉塞性肺疾患・気胸・縦隔腫瘍などに対し呼吸器専門医、呼吸器外科専門医が診断・治療に当たっています。

センター長 峯下 昌道(主任教授)

  1. 肺がんの診断および治療
    肺悪性疾患疑いに対する経気管支肺生検(transbronchial biopsy:TBB)の診断率は、過去5年で平均91%と高い水準を保っております。呼吸器外科、放射線科と連携し、適切な治療を行います。また、臨床試験グループ(TORG/NEJSG/WJOG)主導の多施設共同臨床試験、企業治験、医師主導治験を行っています。これまでにも肺癌診療ガイドラインに引用されるようEvidenceの確立にも寄与してきました。さらに、抗がん薬物療法のみならず、制吐薬などの支持療法の臨床研究も行っております
  2. 慢性閉塞性肺疾患
    薬物治療に加え、リハビリテーションセンターと連携して理学療法にも取り組みます。
    2024年からは気管支鏡的肺容量減量術を開始し、3月に日本で第1例目の治療を行いました。詳細は当科の「特設サイト」をご参照ください。
  3. 気管支喘息
    生物学的製剤を用いた治療や気管支熱形成術にも対応しています。
  4. 間質性肺炎
    適応に応じて抗線維化薬による治療を行い、膠原病関連についてはリウマチ・膠原病・アレルギー内科と連携して診療にあたります。
  5. 各種肺炎
    地域の病院や診療所と連携して診療にあたります。

その他、各種呼吸器疾患に対応いたします。

本センターでは、週1回呼吸器外科、放射線科とカンファレンスを開催し、様々な呼吸器疾患に関する適切な診断治療方針を決定しております。特に、近年増加傾向にある肺がんの速やかな診断と治療方針決定に重きを置き、進行期肺がんに対する抗がん剤治療に関しては日々進歩する化学療法の知見を遅滞なく導入し治療成績の向上に努めるとともに、多施設共同の臨床研究にも積極的に参加しています。緩和医療を含めた肺がん診療全般の質を向上させていくために日々努力してまいります。

業務の案内

気管支鏡検査(気管支腔内超音波:EBUS)

経気管支リンパ節生検

肺癌その他の呼吸器疾患の内視鏡検査で病気の場所から組織や細胞を採って顕微鏡で調べ、主に悪性かどうかの判定に有用です。末梢病変には超音波ガイドシース法を用いて高い診断率が得られています。肺悪性疾患疑いに対する経気管支肺生検(transbronchial biopsy: TBB)の診断率は、過去5年で平均91%と高い水準を保っております。検査の事前準備として、十分に気管支の枝読みを行い(症例によりナビゲーションシステムを併用)、使用スコープや診断補助器具(EBUS-GS、クライオプローブ等)を気管支鏡カンファレンスで厳密に選定します。検査に際し下記手順の励行に加え、2020年から検査中の迅速細胞診(rapid on-site cytologic evaluation: ROSE)を導入し、現場で検体の質と量を評価し処置回数に反映するなど、検査内容の質を向上させております。最高画質の気管支鏡(ハイビジョンスコープ)の導入により、これまでにない知見も収集しながら、安全性の高い検査を提供しております。

また、コンベックスタイプの気管支鏡を用いた超音波ガイド下針生検でリアルタイムに針が観察でき、安全に縦隔リンパ節に転移がないか調べます。肺癌の臨床病期分類に有効です。その他、サルコイドーシスなどの縦隔リンパ節が腫大する疾患の診断にも有効です。

主に、毎週水曜日および金曜日の午後に施行しております。

受付方法 外来より、担当医が検査の予約を行います。
その際、当センターに短期間の入院を要します。
受付時間 外来診療受付時間と同じ
担当科 呼吸器内科、呼吸器外科

気管・気管支ステント留置

気管・気管支狭窄で呼吸が苦しい時にステントという筒を狭い部位に入れて呼吸を楽にする方法です。ステントはシリコン製と金属製とハイブリッドタイプがあり、一長一短があるので最も適したステントを使用しています。硬性気管支鏡で全身麻酔下に施行する場合と局所麻酔下で気管支ファイバースコープで留置する場合があり、肺癌や気管支結核による気道狭窄や気管支軟化症などに有用です。

受付方法 外来より、担当医が検査の予約を行います。
その際、当センターに入院を要します。
受付時間 外来診療受付時間と同じ
担当科 呼吸器内科

蛍光内視鏡

早期肺癌、特に、レントゲン写真では発見できない早期の肺癌の検査です。
普通の気管支鏡と検査は同じで、日帰りで行えます。
特に喫煙が長期にわたる方や頑固な咳が長引く方、血痰が見られた方などは良い適応です。

受付方法 外来より、担当医が検査の予約を行います。
その際、当センターに入院を要します。
受付時間 外来診療受付時間と同じ
担当科 呼吸器内科、呼吸器外科

胸腔鏡下手術

早期肺癌、転移性肺腫瘍、気胸、縦郭腫瘍などを対象に、数㎝の小さな傷を数か所あけて胸腔鏡を用いた行う根治手術です。低侵襲かつ機能を温存した術式で術後の身体的負担が軽減されます。最近では一つの傷だけで行うUniport VATSも導入しています。

拡大手術・集学的外科治療

局所進行肺癌に対しては術前導入・術後補助として抗がん剤・分子標的治療薬・免疫チェックポイント阻害や放射線治療を併用して、より根治を目指して外科治療です。最近では進行期の肺癌に対しても上記治療を組み合わせることにより予後の改善が認めれています。

受付方法 外来より、担当医が術前検査・手術予定など予約を行います。
その際、当センターに入院を要します。
受付時間 外来診療受付時間と同じ
担当科 呼吸器外科

研究内容

  • 気管支狭窄に対するステント留置
  • 超音波気管支鏡、クライオ生検
  • 経気管支針生検
  • 早期中心型肺癌の診断と治療
  • 内科的胸腔鏡
  • 肺癌の化学療法
  • 人工気管
  • 肺癌の遺伝子分析
  • 胸腔鏡下手術
  • 拡大手術(気管・気管支形成、血管形成、周囲臓器合併切除)
  • 肺癌の集学的治療(術前導入術後補助療法+外科的治療)
  • 肺癌の分子標的治療・免疫治療
  • 各種臨床試験・治験

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