診療科・部門等一覧

臨床検査部

最終確認日:2017/11/1
ご挨拶

 臨床検査部は、血液検査や心電図などの各種臨床検査を通して、病気の診断や病態の把握、重症度や活動性の判定、さらには治療効果の判定など、診療に不可欠な情報を臨床医に提供することを主要な役割としています。
 当院の臨床検査部は、輸血部、医化学検査、血液・遺伝免疫検査、生理機能検査、サーモグラフィー、緊急検査、細菌検査、採血室、事務部門に分かれ、臨床検査技師、看護師、事務職員など80名近いスタッフで運営されています。診断や治療に有用な検査結果と、関連する情報を正確かつ迅速に臨床医に提供することを主体に、各種検査の質の維持・向上に努めながら診療協力部門の一翼としての職責を果たすべく努力を続けております。また川崎北部地域の中核病院の検査部として、医療の進歩に対応する最新の体制と設備を整えるよう常に努めて参ります。


業務の案内

医化学検査室

 医化学検査室では、主に尿検査と便検査を行っています。尿や便は人体の排泄物ですが、自覚症状のないうちに早期発見する上での重要なスクリーニング検査です。尿検査では、腎疾患に関係のある蛋白が出ていないか、糖尿はないか、出血や炎症がないか等を自動分析機により判定します。さらに、顕微鏡で尿中の有形成分を確認し、出血部位の推定等で臨床診断に協力できる報告を迅速に行っています。尿蛋白が出ていなくても、微量アルブミンを定量検査することで、慢性腎臓病の進行度をみることが出来ます。糖尿病からくる糖尿病性腎症を経て透析に至る患者さんは年々増加しているので、定期的に検査することが大切です。
 便検査は主に下部消化管からの出血があるかをみています。いち早くみつけることで、大腸がんの早期発見にもつながります。食事の欧米化により大腸がんも増加しています。少なくとも年に一回の便潜血検査をお勧めします。
尿・便以外にも幅広い検査材料を扱っていて穿刺液(腹水・胸水・関節液)、髄液、精液、薬物血中濃度等々、まだ技師の手と目でひとつひとつ進めていかなくてはならない検査が数多くありますが、迅速かつ正確に結果報告できるよう日々努力しています。


血液検査室

 血液は体の隅々を駆け巡り、各細胞に必要な酸素や栄養素を運び、古くなった代謝産物や老廃物を運び去るという大切な働きをしていて、その血液の中身を調べれば全身の組織や臓器の状態や異常がわかります。また、血液自体の病気もわかり、赤血球、白血球、血小板系、血漿タンパクのどの系統の病気なのか見当をつけることもできます。
 血液検査室では採血された検体について形態学的検査と止血学的検査を行っています。形態学的検査は血液の中の血液細胞(赤血球、白血球、血小板)の数や性状に関する検査です。例えば、貧血とは、何らかの原因で赤血球の数が減ったり、赤血球の中に含まれるヘモグロビンの量が少なくなったりする状態をいいますが、形態学的な検査の血球算定という検査項目によってその状態を知ることができます。止血学的検査は血液が固まる性質に関する検査です。例えば、ひざをすりむいて血がでてもしばらくすると出血は止まります。これには先に述べた形態学的な検査の血小板数も大きく影響しますが、血液自体に固まる性質がある事も大切な要因です。何らかの原因で血液が固まりにくくなると出血が止まりにくくなったり、逆に固まりやすくなると体の中で固まってしまい血栓症を起こし血管が詰まってしまいます。こうした血液の性質を調べるのが止血学的検査です。以上のような二つの側面から血液の状態を調べ、診断や治療に貢献することが血液検査室の仕事です。


遺伝免疫検査室

 遺伝免疫検査室の仕事の一つとして免疫検査は、免疫の成立(生体防御)に働くリンパ球の比率を検査しています。リンパ球は、主にT・Bリンパ球があり、それぞれ免疫成立にいろいろの役割をしています。T・Bリンパ球は、全身をコントロールしながら体内に侵入してきた細菌、ウイルスなどに集中的に攻撃したり、又それほど害にならない物質に過敏に働きすぎてアレルギーを起こしたりします。主な病気として自己免疫疾患、感染症などがあります。又、ガン細胞などの細胞の分化過程を調べて白血病など病気の診断や治療効果に役立っている検査です。2つめの遺伝検査は、染色体の検査です。人は、すべて46本の染色体をもち46本の染色体にはそれぞれ沢山の遺伝子が含まれています。この数が多かったり少なかったり、構造に異常があると病気の原因になります。その典型的な例としてダウン症、ターナー症候群があります。又、白血病などの染色体を検査して病気の診断、治療効果や予後などに利用されている検査です。


細菌検査室

 細菌検査室では主に、患者さんから採取されたさまざまな検体(尿、便、喀痰、血液など)から「感染症」の原因菌(起炎菌)がいるかどうかを検査し、その菌を同定(細菌名を決めること)し、その菌に効く抗菌薬は何であるかを調べるための検査を行っています。対象となる細菌はMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)やセラチア菌など院内感染を起こす菌から病原性大腸菌O157やカンピロバクター、赤痢菌、チフス菌、コレラ菌、結核菌など100種類以上あります。特にニュースなどで耳にするような薬剤耐性菌の出現に注意し、感染制御部と連携して監視や環境の微生物検査なども行っています。当院は厚生労働省の基幹病院に指定されているため、MRSA、ペニシリン耐性肺炎球菌、多剤耐性緑膿菌による感染症の報告も行っています。
 結核菌は空気感染によってヒトからヒトに感染を起こし、日本は欧米諸国と比較すると、結核の罹患率は高いのが現状です。かつては診断までに長時間(数週間)を要しましたが、現在では顕微鏡検査や遺伝子検査を併用することによって、わずか3~4時間での診断が可能となっています。
 菌名同定においては、県内の病院としては初めて質量分析器という最新の機器を導入し、菌名同定の正確性を高め、結果報告までの時間の更なる迅速化を図るとともに、抗菌薬治療に役立つ検査結果の提供を心がけています。


生理検査室

【循環機能検査】
心臓は24時間常に全身に血液を送るポンプの役割をしています。
ここでは心電図検査を中心に体内の血液循環機能を調べています。
心電図検査は両手両足、胸部に電極を取り付けて、心臓がポンプとして動く際に発生する電気信号の流れを読み取ります。
不整脈や虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)の有無を調べることができます。
心電図検査には基本となる標準12誘導心電図の他に、運動負荷心電図(マスター2階段昇降、トレッドミル負荷)、起立負荷心電図、ホルター心電図、体表面心電図などがあります。
また血管の硬さや手足の血流障害の検査として、血圧脈波検査(CAVI)、運動負荷ABI、皮膚再還流圧、失神の検査としてティルト試験などの検査も行っています。
【神経生理機能検査】
脳や神経、筋肉もまた微弱な電気信号が流れることによって活動しています。
そうした微弱な電気信号を体に電極を取り付けて記録していきます。
てんかんや脳機能を調べる脳波、末梢神経障害を調べる神経伝導速度を中心に、針筋電図、反復刺激、表面筋電図、聴性脳幹反応、体性誘発電位など体内の様々な神経や筋肉の疾患に対する検査を行っています。
また、睡眠時無呼吸症候群の診断検査となる終夜睡眠ポリグラフも行っています。
【呼吸機能検査】
肺は人間が生きるために必要な酸素を供給する機関です。その機能を検査します。肺活量検査、換気機能検査などを行い、数々の呼吸器疾患の診断、治療の参考にします。手術をする際にも、この検査を必要とします。
生理機能検査は、患者さんと共に検査を行います。
心電図検査では洋服を脱いで頂いたり、脳波検査では息を吸ったり吐いたりしていただきます。又、筋電図検査では力を入れたり抜いたりしていただいたり、呼吸機能検査では息をこらえたり力一杯吐き出したりします。患者さんのご協力とご理解があってこそ正確な検査結果が得られますのでよろしくお願いいたします。


生化学検査

 生化学血清の業務は、患者さんから採血された血液を遠心分離して、血清という部分を分析する仕事をしています。この血清を分析する事で患者さんの肝機能検査(AST、ALT、LDH、γGTPなど)、腎機能検査(尿素窒素、クレアチニン、尿酸など)、膵機能検査(アミラーゼ)、脂質成分(コレステロール、中性脂肪など)、金属成分(ナトリウム、カリウム、鉄など)、血糖値などとさまざまな基礎的データを調べる事ができます。また、肝炎ウィルス(B型、C型)や梅毒などの感染症の検査や、リウマチ因子などの自己免疫性疾患の検査も実施しています。血清から基礎的データを調べる検査を生化学的検査と言い、免疫反応を用いて感染症や自己免疫疾患の因子を調べる検査を免疫血清学的検査と言います。これらの検査はバーコードによる一元管理によってシステム化され、検体前処理、分注、搬送、分析は自動化され、短時間でしかも少ない採血量で多くの検査をすることが可能になりました。また自動分析装置を増設し、さらに速くて正確な検査結果を報告することができ、診断や治療に一層貢献することができるようになりました。迅速、正確な「生化学・免疫血清学検査」をモットーにこれからも努力していきます。


緊急検査室

 緊急検査室は救命救急センター内に配置され特定機能病院としての緊急検査業務を行っています。
 専任技師12名が365日24時間完全2交代制で、緊急治療が必要な患者さんの為に病態をいち早く把握する検査を迅速に行っています。
 救命救急センター、夜間急患センターに来院された患者さんの検査はもちろんですが、救命救急センター入院患者さん、急変した一般病棟入院患者さんの検査、手術後の検査、また一般外来診療前検査など多種にわたる検査を行っています。
 患者さんと直接接する機会はあまりありませんが患者さんにより良い情報を提供していくことを目標に、昼夜を問わず24時間同じ質と量の検査を行っています。