Q. 赤ちゃんに熱があるようですが、どうしたらよいですか?
Q. 赤ちゃんに黄疸がありますが大丈夫でしょうか?
Q. よく吐きますがいいのでしょうか?
Q. 母乳と人工乳の違いは何ですか?
Q. 1日にどれくらい母乳を飲めばいいのでしょうか?
Q. 混合栄養になりましたが、母乳は減らしていいのでしょうか?
Q. 授乳間隔は、2~3時間ごとに間を開けるようにいわれたのですが?
Q. 風邪薬を飲んでいるときには母乳を中止すべきなのでしょうか?
Q. 分娩後、すぐに赤ちゃんに母乳をあげられますか?
Q. 母子同室ですか?
Q. お産で入院する時に上の子は病室にはいれますか?
Q. できれば母乳だけで子育てしたいのですが、相談できますか?
Q. 赤ちゃんに熱があるようですが、どうしたらよいですか?
A. 赤ちゃんの発熱には注意が必要ですが、通常赤ちゃんの平熱は、一般的に成人よりも高く、脇の下や顎の下では37.5℃ぐらいはよくあります。普段の平熱を計っておくことは大事ですが、おとなしくしているときに38℃前後以上あれば発熱と考えていいと思います。ただ赤ちゃんは、周りの環境温度(暖房、着せすぎ)の影響を受けやすく、また泣いている時、その直後、哺乳後、入浴後などは一時的に高くなりますし、軽い脱水でも発熱する可能性はあります。一番大切なことは、赤ちゃんの状態をよく観察することです。熱があっても、いつもどおり哺乳力良好で活気があり、おしっこもよくでていれば慌てることはありません。環境温度の調整で、すぐ体温が下がれば心配ありませんが、それでも熱が下がらない場合は医療施設の受診をお勧めします。安易な解熱剤の使用(生後6カ月までは原則使用禁)は、低体温を引き起こす可能性があり、また解熱剤使用後にすぐ熱が下がっても病気が良くなっている訳ではなく、逆に病気を長引かせる危険性もあるので注意しましょう。特に元気がない、哺乳(食欲)がいつもの半分以下、半日近く排尿がない、といった場合には高度の脱水症、感染症の可能性があるため早めに専門医の診察を受けましょう。
Q. 赤ちゃんに黄疸がありますが大丈夫でしょうか?
A. 黄疸は、血液中のビリルビンという色素が高くなるために皮膚や目の白目が黄色く見える現象をいいます。成人の黄疸とはタイプが異なり日本人の新生児の場合、個人差はありますが、非常に多くの正常な赤ちゃんに認められます。新生児の黄疸は、生後1週間以内の早期黄疸と1週間以後の遷延性黄疸に分けられます。多くの正常な新生児に認められる黄疸ですが、中には基礎疾患がある、いわゆる病的黄疸もあります。特に早期黄疸で急激に黄疸が強くなる場合は、母子の血液型不適合による溶血性黄疸、出血性疾患などがあり専門医の診察が必要です。病的黄疸、生理的黄疸いずれの場合であっても、黄疸の数値(血中ビリルビン濃度)が一定値を超えた場合は光線治療を行いますが、通常はこの処置により軽快しますので安心してください。生後1週間以後に認められる遷延性黄疸は、昔から母乳性黄疸とも言われているように母乳育児によく認められ、生後2週間前後をピークとして生後1カ月から時に2、3カ月ぐらいまで認められることがありますが、多くの場合、体重増加もよく、元気で、排尿排便がいつも通りであれば心配ありません。よく見た目黄疸があるだけで母乳を中止し人工乳に変えてしまう方がおられますが、通常はその必要はありません。ただ生後2週間前後で体重増加が悪く、排便も少ない場合(特に早産児や低出生体重児など)には、一度母乳外来や専門医を受診し、血中ビリルビン濃度が25mg/dlを超えるような場合には、一時的に人工乳の補足もしくは光線治療を行うことがあります。黄疸が収まれば再びいつも通り母乳を与えてかまいません。一時的な黄疸のために、母乳そのものが赤ちゃんに悪い、といった誤った認識を持たないでください。黄疸があり、いつもより元気がない、便の色が白っぽいといった場合は、基礎疾患が潜んでいることもあり専門医に御相談ください。
Q. よく吐きますがいいのでしょうか?
A. 元々赤ちゃんは、胃と食道のつなぎ目が緩く吐きやすいものです。1回も吐かない赤ちゃんは、まずいないといってもいいくらいです。ただ吐き方(頻度、量、哺乳との関係、吐物の性状)には注意がいります。一般的に元気で機嫌よく、体重増加も良好、排尿も1日6、7回以上あれば生理的なものと考えられ、まず心配ありません。赤ちゃんは、哺乳時空気も飲み込むので、ゲップと一緒に吐いたりもしますが、成長とともに収まってくるのが普通です。気になる場合には、哺乳後しばらく右下に寝かしてあげると吐くのが止まることがあります。ただしこの場合知らない間に赤ちゃんがうつ伏せ寝になったりしますので、この間は誰かが見ておいてあげた方がいいでしょう。注意がいる嘔吐として、生後2週間ごろから噴水上嘔吐(口元から40~50cm飛ぶような嘔吐)が1日何回もあり体重増加も悪い場合、慢性的な便秘でいつもお腹が張っている場合、吐物が緑色(胆汁色)の場合などは、消化管に異常がある可能性がありますので専門医に受診してください。
Q. 母乳と人工乳の違いは何ですか?
A. 母乳と人工乳の最も大きな違いの一つは、母乳には免疫グロブリンを代表とする免疫成分などの生物学的因子が含まれていますが、人工乳には含まれていません。この免疫成分が、赤ちゃんを感染症から守る大きな働きをしています。特に出産後3日までの母乳は、初乳とよばれ、IgAという免疫成分が高濃度に含まれており赤ちゃんにとって極めて重要なお乳といえます。また母乳には、免疫成分以外にも神経発達因子など赤ちゃんの成長発達に必要な因子が効率よく含まれています。このように母乳には、赤ちゃんの成長過程にあわせた 必要な栄養素、生理活性成分がバランスよく含まれており、人工乳とは大きく異なります。人工乳は、母乳が十分確保できない場合や母親が特殊な薬剤(抗癌剤、免疫抑制剤など)を内服中、母親が特殊な疾患に罹患(エイズなど)等、やむを得ず母乳を中止しなければならない場合に、あくまでその代替品として考えるべきものであり、総合的にみて人工乳が母乳に勝るものではありません。
Q. 1日にどれくらい母乳を飲めばいいのでしょうか?
A. 母乳の分泌量は、分泌時期も含めて個人差が大きいですが、一般的に1回授乳量は、生後1日では5~7ml、生後3日以後は30~40mlぐらいです。どの赤ちゃんも生後1週間ぐらいまでは、一旦体重が減ってから体重が増え始める(生理的体重減少)ので生後2週間ぐらいまでに体重増加に転じておれば慌てることはありません。生理的体重減少も母乳栄養児であれば10%近く減ることもよくあります。WHOは、生後1~2週間以降から生後1カ月までの1日の体重増加は18g/日以上であれば十分であるとしています。ただ数字だけにとらわれず、赤ちゃんの状態を診ておくことは大切で、活気があり、授乳回数が10~12回/日、排尿回数も7回/日以上であれば心配ないでしょう。
Q. 混合栄養になりましたが、母乳は減らしていいのでしょうか?
A. 前項でも述べましたが、人工乳は母乳に勝るものではありません。あくまで母乳が赤ちゃんに与えられない場合の代替品です。したがって混合栄養の場合でも、なるべく母乳回数を減らさないようにして、母乳が量的に足らないと判断した場合に人工乳を補足すべきです。よく混合栄養にしたとたんに、母乳回数が減ってしまう方がおられますが、できる限り母乳の授乳回数を10~12回/日程度に維持しながら、まず母乳を優先という認識を持ちましょう。お母さんの仕事など社会的な理由等でいつも直接授乳ができない場合には、搾乳して冷蔵庫に入れておけば、著しい不潔操作をしない限り24時間以内の使用は可能です。また排便状態も母乳から混合栄養にすると変わってきます。母乳のみの場合、赤ちゃんに正常に存在し有益な腸内細菌であるビフィズス菌が多数を占め、腸内環境は安定していますが、混合栄養になるとビフィズス菌も存在しますが、大腸菌を始めとする多種類の菌が増殖し始めるため、母乳のみの時と比べ腸内環境が不安定となります。このため赤ちゃんが便秘傾向となったり、便が粘っこくなり色も緑がかってきたりします。また人工乳は胃からの吸収が母乳より遅いこともあって一時的にしろ吐きやすくなったりもします。その内、赤ちゃんもそのような環境に順応してきますが、腸内細菌一つをとっても母乳が、赤ちゃんにより優しいことが御分かりいただけると思います。
Q. 授乳間隔は、2~3時間ごとに間を開けるようにいわれたのですが?
A. 授乳回数は、決まったものはなく、回数は気にせず赤ちゃんが欲しいときに欲しいだけ与える(自律哺乳)のが原則で、授乳間隔を2~3時間開けなければならないということはまったくありません。母乳は、人工乳と比べて胃から効率よく吸収されるため吸収時間が早いのが特徴で、そのために哺乳後1~2時間で、お腹がすくのはむしろ生理的ともいえます。したがって個人差はありますが、母乳の場合1日の授乳回数は、平均10~12回と思っていただいて宜しいかと思います。もちろん赤ちゃんが欲しがれば、それ以上与えてかまいません。哺乳後1時間たつかたたないかで赤ちゃんが泣くと、母乳が不足していると思ってしまうお母さんがいますが、この母乳不足感と実際の母乳不足は異なることが多いので注意が必要です。母乳不足は、赤ちゃんの状態(体重の増え具合、排便、排尿回数など)を診て、総合的に判断すべきもので安易な人工乳の補足には注意しましょう。不安な時には専門医に相談もしくは母乳外来を受診しましょう。
Q. 風邪薬を飲んでいるときには母乳を中止すべきなのでしょうか?
A. 通常量の風邪薬(場合によっては抗生剤も含む)を数日間、母親が内服するために母乳を中止する必要はありません。一般的にほとんどの薬剤は、極少量ながら母乳中に排出されますが、微量であるために赤ちゃんへの影響はなく母乳育児継続は可能です。しかし母乳を中止しなければならない薬剤(抗癌剤、免疫抑制剤、放射性物質など)も一部あることも事実です。したがって医師は、母乳育児の重要性を認識しながら医学的根拠に基づいた薬物服用の安全性、危険性を説明する必要があります。単に服薬中との理由で母乳を中止したり、薬物の危険性のみを過度に心配して安易に人工乳に変えないようにしましょう。我が国の薬剤の説明書(添付文書)の多くは、残念ながら母乳分泌との関連を医学的データに基づいて記載したものはほとんどなく、その根拠がないがために、短絡的に服薬中は母乳を中止した方がよいような書き方をしています。母乳育児中の薬剤の使用については、アメリカ小児科学会の詳細な報告があります。これによれば通常のほとんどの薬剤は、授乳を中止する必要はありませんが、実際に使用する際には確認をした方がよいと思われますので、不安な方は専門医に御相談ください。
Q. 分娩後、すぐに赤ちゃんに母乳をあげられますか?
A. 経膣分娩後は、母子ともに異常がない場合、赤ちゃんをすぐにお母さんの胸に抱いていただき、授乳を開始するカンガルーケアを行っています。分娩後2時間は分娩室で母子共に一緒の時間を過ごしていただけます。
帝王切開分娩の場合、手術室から帰室後お部屋に赤ちゃんをお連れします。手術当日から、お母さんと赤ちゃんの状態が安定していれば授乳することも可能です。
Q. 母子同室ですか?
A. 原則として完全母子同室です。お母さん・赤ちゃんの状態により赤ちゃんをお預かりすることも可能です。
Q. お産で入院する時に上の子は病室にはいれますか?
A. 12歳以下のお子さんは、病棟に入ることができないため、病室での面会は残念ながらできません・病室ではなくロビーや面談室などを利用し、赤ちゃんのご兄弟は面会することができますのでご相談ください。面会時にはご兄弟が発熱していないか等の確認をさせていただきます。
感染症流行期は、赤ちゃんのご兄弟も窓越しの面会に限定させていただく場合があります。
Q. できれば母乳だけで子育てしたいのですが、相談できますか?
A. 当院では母乳育児を推進しています。分娩当日から直接母乳を実施して母乳の分泌をうながし、完全母乳をめざして乳房管理・乳房トラブルなどに対して、助産師による乳房外来で引き続きサポートすることが可能です。(完全予約制です)