教育概要

 本コースでは、以下の3つのコースから一つを選択して学習する。

ゲノム医療者養成コース:大学院コース、インテンシブコース

 プレシジョンメディシンの実現化へ向けて、各個人のゲノム情報に、実臨床や新薬開発に有用な解釈を加えることができるエキスパートを目指して研修を行う。本学臨床腫瘍学講座は、AMED研究班「産学連携全国がんゲノムスクリーニング事業SCRUM-Japanで組織した遺伝子スクリーニング基盤を利用した、多施設多職種専門家から構成されたExpert Panelによる全国共通遺伝子解析・診断システムの構築および研修プログラムの開発(吉野班)」に参画しており、本コース受講者は、この研修プログラムの開発に臨床腫瘍学講座員とともに携わり、実際にon the job trainingを含むプログラムの受講者による直接指導と、プログラムの実際の受講を予定している。また、すでに本学はSCRUM-JAPANに参画し、多くの患者のゲノム情報の解釈とその実臨床への利用や新薬開発治験への患者のリクルートを実践している。本コース受講生は、ゲノムスクリーニングの実践から治験の遂行までを含めたプレシジョンメディシンの実用化を学習する。

希少がん・小児がん医療者養成コース:大学院コース、インテンシブコース

 希少がん、小児がんの診療に必要な基礎知識を獲得した上で、全国的な診療ネットワークを有効利用し、さらに発展させる実践力を身につける。希少がんについては、本学臨床腫瘍学講座を中心に、小児がんについては小児科学講座を中心に臨床、研究を講座員とともに行う。

がん診療支援者養成コース:インテンシブコース

 個々の患者における最適ながん診療の実現を目指して、それぞれのライフステージに応じた多角的支援を行う実践力を身につける。本学臨床腫瘍学講座は、Patient-reported outcome (PRO)、妊孕性温存やオンコネフロロジーについて、効率的に診療が行えるよう体制が整備されつつあり、本コース受講者はそれらを実臨床を通じて集約して実習する。就労支援、アピアランスケアやグリーフケアなど、患者家族を含めた包括的支援についても、がん相談支援センター・がんサロンにて、実践的に学習する。